<Sole Luna Documentary Film Festival Parlemo 2015 審査員評>
原発事故に苦しめられる人々の苦しみと恐怖を、感情や日々の暮らしを通じて巧みに描いた。
緊張感溢れる優れた編集で魅せる、胸をしめつける物語。
「核のゲーム」がたやすく奪う我々の暮らしと、「低コスト」エネルギーの真の代償を繊細に描いた。
自身と我が子を危険にさらしながらも、冷静に悲劇を記録する監督の勇気ある決断と信念に。
News
- 2016/04/22
- 映画『抱く{HUG}』に田中優さんからのレビューが届きました!
- 2016/03/16
- 抱く{HUG}東京特別上映
- 2016/03/01
- 海南友子監督によるセルフ・ドキュメンタリー映画『抱く{HUG}』いよいよ今週末劇場公開!
- 2016/01/29
- 【公開目前!】 映画『抱く{HUG}』海南友子監督メッセージ
- 2015/12/01
- 映画『抱く[HUG]』 ママ限定!先着300名様オンライン先行試写のご案内
© ホライズン・フィーチャーズ
About the film
Introduction ーイントロダクションー
あの日から変わってしまったこの空の下で、君を抱きしめる——。
生まれてくる命のために、私はどんな未来を描けるのだろう。
これは、わが子とその未来を守る母の、愛と絆の記録。
「あなたを全力で守るから。だからどうか、無事に生まれてきてください。」
そう言って自分のおなかを優しく抱きしめる母。
映画『抱く{HUG}』は、新しい命と、強く美しい母の愛が生まれる瞬間を捉えた、感動のドキュメンタリーです。
監督は、これまで一貫して環境問題や逆境に生きる人々に焦点を置いた作品を発表してきた海南友子。次なる取材地に福島を選び、3.11直後に原発4キロ地点にまで肉薄して取材をしていた海南監督は、その矢先に妊娠していることに気づきます。不妊治療の末、とうに諦めていた初めての妊娠でした。
More info
命の輝き、母の愛、この世界に生きるということ。
水を飲み、大きく息を吸うたびに赤ちゃんへの影響が心配になる。福島で出会った母たちの苦しみが、そのまま自分のものとなりました。そして、生まれてはじめて自分にカメラを向ける決心をするのです。
40歳での初めての出産、そして放射能の不安との闘いの日々。壮絶なつわり、緊急搬送されるまでの激痛。これは年齢のせいなのか、それとも放射能の影響なのか。取材を続けるべき?それとも?
監督は、迷い、苦しみながら自身にカメラを向け続けます。何もかもが変わってしまったこの世界で、母となる意味を記録する為にーーーー。
ここに、ひとりの母親による心揺さぶる魂の記録が誕生しました。
Data
原題 | 製作年 | 2014年 | |
---|---|---|---|
製作国 | 日本 | 制作 | ホライズン・フィーチャーズ |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 69分 |
Cast & Staff
監督 | 海南友子 | 製作総指揮 | 南幸男、向山正利 |
---|---|---|---|
プロデューサー | 向山正利、向井麻理 | 原作 | |
脚本 | 音楽 | ||
撮影 | 南幸男、向山正利 | 編集 | |
キャスト |
Review(19)
15/12/18 12:35
15/12/19 13:36
これまで、このことで涙を流した記憶が無い。
押し込めていたものが出てきてしまった。
あの事故以来、自分もまた直視できない絶望の中にいる。
事故の後、東京にいて「だいじょぶだいじょぶ」と過ごした母親がいただろうか。
デモや意見表明に参加しながらも、日常と未来を壊した人の中に自分もいると思う。
だからこそ、してはいけないことがあると思っている。
心の底の絶望と共存しながら、毎日を淡々と送る以外にわたしにやれることがあるだろうか。
今より少しだけ、自分の気持ちを大切にしながら、毎日を普通に暮らそうと思う。
自分のできることをやりながら。
未来は変えられると思う。
15/12/22 00:02
いるところが、一児の母としてやはりより共感するところも多かった。
監督が自らに体を張って取材をしているのにも大変驚いた。
前半のシーンで、赤ちゃんを抱いている福島のお母さんの放射線レベルを
防備した計測員が測っているのはやはり衝撃だった。人々は、無防備に見えない恐怖と日々直面していて、
何かしなければと思わさせられた。
15/12/22 15:12
上映会主催者の声
この映画を観た後、参加者で以下のような感想を話し合いました。「事故現場から離れていると他人事のように感じる。」「マスメディアで報道されても、体験者でないと分からないと思う。」「資源のない日本においてどうすればよいか難しい問題と思うが、ただただ怖い。」
このことを、監督自身の等身大の映像を通してリアルに追体験し、それぞれ感じ考える上映会になりました。
島根原発稼働の地元合意が進んでいるなか、島根原発から30km圏に位置する米子市での上映でした。
”原発や被ばく”は、決して遠くでおきた過去のことではなく、いまも直面している人々がいて、
自分たちの暮らしとも背中合わせであることを、改めて共有する機会になりました。
誰もが健康に生きるための基準が簡単に緩められ、子供たちを守りたい、という当たり前の想いが受け止められない現実に、胸が締め付けられた、悔しさ、悲しみ、怒り、自分で判断することの大切さ、、様々な声があがりました。
こどもから高齢の方々まで、多世代の方たちとこの映画を観て、感じたことや事実を、もっとたくさんの人たちと共有していきたい、声を上げていくことをあきらめないで続けていきたい、などこれからになにができるか(足元からの自然エネルギー利用、議会傍聴などなど・・・)、ざっくばらんに話すことができ、貴重な機会になりました。
報道されていることが自分事にならずに流れていく時代、少し意識を変えることで、未来の子ども達のために、今、私たちにできることがあるかもしれないと考える良い機会となりました。
水、空気、山、人。なにを信じればいいのだろう。なにを信じ続けていたいのだろう。
どのような距離感で向き合えばいいのか、答えのないまま揺れつづける。
ほんのちいさなことでいい。不安ではなく、希望を抱きたい。
今日明日のことだけでなく、もう少し長い未来を見たい。
一児の母として、共感することが多かった。
母以外の人にもきっと届く映画だと思う。