前日までの春めいてきた陽気とは打って変わって、この日は全国的に大荒れの天気となりました。会場である飯南町も、朝から猛吹雪といってもよいほどの荒れようでした。
はじめから観客数の伸び悩みが危惧されました。なるほど天気さえよければ、もっともっと多くの方々に観ていただけたでしょうから、残念な気持ちがないわけではありません。しかし、それでも朝10時からの回には、約40名もの方々が駆けつけてくださいました。そして昼14時からの回には約20名、夜19時からの回には約10名の方々がお見えになりました。うち高校生以下の子どもたちが7名。スタッフの人数も入れると、結果的に77名の方々に観ていただいたことになります。ただチケットをお買い求めいただきながら、おいでになれなかった方々も相当数いらっしゃいました。
飯南町の人口4,450人からすれば、大した人数だというのは、主催したはとぽっぽの会代表の言ですが、まったくそのとおりだと思います。それだけガザへの関心が高いということでしょう。しかし、その関心の高さは、連日の報道によるものであり、それはとりもなおさずガザの状況が悪化の一途をたどっていることを意味しています。パレスチナ保健省の発表によれば、166日目(3月20日)には、死者31,923人、負傷者74,096人に上っています。また7割の家が破壊され、75%の人たちが難民化しているとも聞きます。とすれば、この映画に映っているガザの人たちは、今ごろどうしているのでしょう。そんな思いをみなさんと共有しつつ、映画を鑑賞しました。
ガザの人たちが望んでいるのは、ただただ「あたりまえの生活」を送ること。なのに、その「あたりまえ」を奪われ、それどころか命の危険にさえさらされていることにたいへん心が痛みます。そういった感想が多く寄せられました。
映画の鑑賞後には、特定NPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」からお寄せいただいたビデオメッセージを流し、支援を呼びかけました。
また、2回目の上映後には交流会をもち、その際、やはり特定NPO法人「パレスチナ子どものキャンペーン」からお寄せいただいた、詳細な現状報告を含んだ、やや長めのビデオメッセージを流しました。その中に登場する、兄を亡くし、そしてあまりに多くのものを抱え、耐え忍んでいる13歳の少女に、一同涙しました。その後、活発な感想・意見の交換がなされました。
さらに会場後方には、「ガザへの手紙」のコーナーを設けました。これは、ガザの人たちへメッセージを届けようという、パレスチナ・ヨルダン川西岸に拠点を置くアシュタール劇場の呼びかけに応じての企画です。みなさんから熱いメッセージが寄せられました。
この日ご来場いただいた方々には、もれなく缶バッジをプレゼントしました。凡アラブ色やカフィーヤの柄をあしらったデザインで、そこには次のような文字を記しました、「STOP GENOCIDE」「FREE PALESTINE」。これからも、みんなで声をあげていきたいと思います、虐殺反対、パレスチナに自由を、と。
ちなみに募金箱にお寄せいただいた寄付金は、3万円を超えていました。
今回、上映会に携わった運営メンバー全員、本当にやってよかったという感想をもつことができました。
ありがとうございました。
映画を見始めてしばらくの間は、綺麗な町並みやビーチ、子どもたちの弾ける笑顔、タクシーのドライバーが仕事前に海を見ながらカフェラテを飲むシーンなどが続き、ガザの日常を生きる人って、私たちと同じだな、と感じました。
でも、それから、ガザを取り巻く惨状や若者の姿、よくみたらガリガリに痩せた子どもたち、難民キャンプを襲う襲撃に、ガザの日常が「異常」であることに気づきました。
この時期にこの映画を見ることができてよかったです。
自分にできることがないか、考えてアクションしたいです。