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それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~

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それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~

ジャンル 平和 政治経済 人権
時間 89分,53分 製作年2013年  監督 タラール・デルキ

サッカーボールを銃に持ち替えた青年
非暴力を貫きカメラで記録し続ける青年
戦争のなかに生きるシリアの若者たちを追った命懸けのドキュメンタリー

数字では決して伝えられない、人の痛み、悲しみ。誰が最も傷ついているのか見逃さないように。そんなメッセージが、映画いっぱいに込められている。(安田菜津紀 フォトジャーナリスト )

怖いのは、一度人を撃ったら、二度目はためらわなくなっていること。次第に目の輝きも表情も失われていきます。漢字で表せばたった 2 文字の「戦争」ですが、それが植え付けるものは計り知れません。(サヘル・ローズ 女優)

私たちが目撃すべきは、戦場と化したシリアじゃない。そこに至るまでの過程なのだ。世界は殺戮を止めるために全力を尽くしたか?そう問い詰められる強烈な映像の連続に息をのむ。(高遠菜穂子 イラク支援ボランティア)

Screening Information

上映会 開催者募集

About the film

内戦が続くシリア。「シリア革命の首都」と呼ばれる街ホムスで、2011年8月から2013年4月にかけて、2人の青年を中心に追ったドキュメンタリー。1人は当時19歳で、サッカーのユース代表チーム、ゴールキーパーをしていたバセット。もう1人は24歳の有名市民カメラマン、オサマ。当初、平和的な民主化運動を展開していた2人だが、終わりのない暴力の連続に、ついに武器を手に取る…。

More info

2011 年に始まった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動の波。その影響を受け、シリアでも 2 人の青年が立ち上がった。サッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していた当時 19 歳の青年 バセットは、そのカリスマ性から若者を惹きつけ、平和を訴えるシンガーとして民主化運動のリーダーになっていく。彼の友人で、有名な市民カメラマンである 24 歳のオサマは、デモの様子を撮影し、インターネットで公開することで、民主化運動を広げようとする。バセッ トは歌で、オサマは映像で、それぞれ非暴力の抵抗運動を先導していたものの、2012 年 2 月、政府軍の容赦ない攻撃によってホムスで 170人もの市民が殺害されたのを機に、バセットと仲間たちは武器を持って戦い始める。彼らはなぜ戦い続けるのか、生きることとは、戦争とは、ふるさととは......。シリアの民主化運動の中で生きている人々の“リアル”を映し出した作品。

Data

原題 Return to Homs 製作年 2013年
製作国 シリア、ドイツ 制作
配給 ユナイテッドピープル 時間 89分,53分

Cast & Staff

監督 タラール・デルキ 製作総指揮
プロデューサー オルワ・ニーラビーア、ハンス・ロバート・アイゼンハウアー 原作
脚本 音楽
撮影 編集
キャスト

Review(6)

15/06/18 12:13

関根健次 さんのレビュー
学び 泣ける
「戦争は若者の人生を奪っていくことを伝えたい」

2012年5月、カナダのトロントで開催されていたHot Docs カナディアン国際ドキュメンタリー映画祭でドイツの名物映画・テレビ番組プロデューサーハンス・ロバート・アイゼンハウアーさんが熱く語っていたそうだ。

目の前で銃撃戦が繰り広げられる様子は、この上なくリアルだ。

第二次世界大戦終結から70年。戦争の悲惨さを語れる体験者も少なくなりつつある今、リアルな今起きている戦争のドキュメンタリー映画を届け「決して戦争はしてはならない」という日本国憲法の誓いを再共有したいと思う。

15/08/05 13:27

柚木公奈 さんのレビュー
学び
渋谷だし、時間もちょうどいいし、
さらにトークイベントもあるし・・・
と、消極的な理由で決めた映画の日の映画
『それでも僕は帰る』。

シリアって、サッカーなら
日本代表が勝てるかもしれないけど、
この環境を生きている人たちと、
自衛隊は戦いになるのか・・・
「やはり、今の日本人に戦争はムリ!」

冒頭にそんな考えが生まれてきた
シリアの民主化運動? というより内戦?
のドキュメンタリー映画なんだけど、
なんと、主人公がシリアユースの
人気ゴールキーパーだったのには驚いた!


映画のパンフレットで高遠菜穂子さんが
「私たちが目撃すべきは、
戦場と化したシリアじゃない。
そこに至るまでの過程なのだ。」
と書いてあるけど、まさにその通り!

「アサド政権は神をも恐れない。
だから、平和的な抵抗運動ではダメだ!」
と、ついに銃を取ってしまうシーンが示唆的だ!

神をも恐れないのは、この国の首相もそう。
だけど、僕らは決して銃を取らない!

銃を取るしかなかった主人公パセットは、
W杯予選の日本戦に出場の予定はなく、
今は、イスラム国と行動を共にしているらしい。

状況こそが、悲惨な選択を生んでしまう・・・

15/08/19 22:22

ケンゴ さんのレビュー
感動
 シリアの元サッカーのユース代表チームのスター選手がそのカリスマ性から民主化デモの英雄になり、しかしその後政府軍による市民の大量虐殺がきっかけで反政府武装集団のリーダーに変わっていくと言うドキュメンタリー映画です。シリアで実際に起きている事を命懸けで撮影されたものです。自由や平和を訴えていた若者達がほんの数ヶ月後に武器を取って戦争に参加して行く様子は、こんなにも簡単に平和が崩れ去るのかと大変ショックを受けました。
 実際の戦闘シーンの連続に始めから終わりまでずっと息を呑んで観ていました。狙撃手から銃撃を受けたり、戦車から砲撃を受けたり、緊迫感はただならぬものが有りました。実際の戦闘で目の前の人が銃撃を受けて倒れたり、大怪我をしたり、これ程生々しい映像はこれ迄見た事が有りませんでした。ハリウッド映画とは比べ物にならない位迫力が有りました。(実際の戦争を撮影しているのですから当たり前ですが。)本物の戦争を映画にして良いのか?と疑問に思う程、他では中々観れないものです。残酷なシーンの連続に改めて戦争の恐ろしさを身近に感じました。
 シリアで今実際に何が起きているのかを知る為にぜひ一人でも多くの人に観て頂きたいと思います。遠い国の出来事でどうする事も出来ないと無関心でいるのでは無く、もし日本で同様の事が起きたら、自分だったらどうするか考えてみて頂きたいと思います。
 平和ボケした我々日本人はぜひ観るべきだと思います。

15/11/06 13:57

ユナイテッドピープル さんのレビュー
学び
安田菜津紀 フォトジャーナリスト
「なぜジャーナリストは危険な場所へ?」そんな声を度々耳にする。私たちはなぜ、その場所が危険だということを知っているのだろう。それは誰かがこうしてぎりぎりのせめぎ合いの中で、伝え続けてくれたから。

今日もニュースに、たくさんの数字が飛び交う。爆撃の数、傷ついた人の数、命を奪われた人の数。

数字では決して伝えられない、人の痛み、悲しみ。誰が最も傷ついているのか見逃さないように。そんなメッセージが、映画いっぱいに込められている。



高遠菜穂子 イラク支援ボランティア
私たちが目撃すべきは、戦場と化したシリアじゃない。そこに至るまでの過程なのだ。平和主義者が銃弾に倒れ、歌って踊るデモが流血に染まり、必死に映像を届けようとする若者たちに私たちはどうリアクションしたか?世界は殺戮を止めるために全力を尽くしたか?そう問い詰められる強烈な映像の連続に息をのむ。


元日本代表/オランダ VVV VENLO 藤田俊哉

1年前、シリアから来たコーチと出会った。彼は平和にスポーツに打ち込みたいからオランダに来たと教えてくれた。何気なく聞いていた、その言葉の意味がこの映画によってより理解できるようになった。彼と約束した!いつの日かお互いの国を率いて対戦しようと…心から平和を願う!そしてスポーツの力を信じている!



一覧
http://unitedpeople.jp/homs/message

16/06/12 13:26

pomera2009no01b さんのレビュー
学び
こういう映画もっと映画館でかけたり、テレビでやればいいのに。

お年寄りばかりだったのが気になった・・・。

実は何も知らずにアラブの春の話っぽい&ポスターイメージで見に行ったので、ドキュメンタリーというのも知らなくて。
(それ故、貯まったポイントカードで見てしまった!ベネフィット(収益の一部が寄付される)だと知ってればお金払ったのに・・・!)

近く、ISによるパリの大規模テロが起こり、報復としてシリアへの爆撃が激化(1日500〜600の爆撃)してしまった状況だったので、見なければならない、という変な義務感にかられました。

だってニュースの話題としてあっても、こんな話知らないし!
道渡ったら戦車に撃ち殺されるとか、移動手段が廃墟と化した民家を次々に歩いていく、とかショッキングな現実がそこにあって・・・。

つくづくネット社会だからこそ、であろうと思う。
PC並べてみんなカチャカチャやってる姿は異国とは思えない。

でも話してる内容はもらったお金を武器調達に使う、という明朗会計で。

主役を担うバセットは元サッカー選手の24歳。
最初は歌を歌ったり踊ったり、街中がみんなで団結して反体制を主張していたのに、わずか2年で彼の手には銃が握られる。

映画自体は2011年〜2013年の映像なのだそうですが、どんどん仲間が減っていくんだよ・・・。

バセットに限らず、若者が皆しきりに殉死したいと言ってたのがとても印象深い。
怪我を負うとこで神の名前を叫びまくってたのもすごいと思った。
それだけ宗教というのが大きいものなのか。
日本人には飲み込みづらい話ですね。

バセットがどうなったのか、周りの仲間たちや映っていない若者たちがとても気になります。

考えたくないけど、考えてしまう可能性。

こんなに本物の死体をダイレクトに見たのは初めてかも・・・子供とか、その映像だけで涙がでてきました。
虐待されて亡くなった死体の撮影方法とかがびっくりするぐらいザル。

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上映会主催者の声

上映会を主催された方の声を紹介します
対比でみせる
夜の闇と街のかすかな灯りを装飾に利用した今回の鑑賞会は、自分達の生活環境と映像の中の環境を対比するのに役立ちました。

この作品では、シリア市民の苦難を黙殺するな、とその場に引きずり込まれる感じがあります。
スクリーン脇に覗く穏やかな夜の景色は、救われる人、平和へ感謝の念を持つ人、シリアを他人事にしようとする人等々、自身についてを強く認識させたようでした。

*写真は開場前の夕刻

今日はありがとうございました。できれば自分の知っている限りの方々に観てもらいたい。できれば世界中の人々にこの現実を知ってもらいたいと思いました。私はまだ心臓のふるえがとまりません。

武器を持つ事について改めて問う
なつ 2022年05月01日
シリア内戦後10年以上が経ち、当初のアラブの春は影も形もなく、両者武装して争った結果は虎視眈々と狙う各国に付け入られ荒廃した国土と多数の難民を国外に放出した。
この前列を踏まえて今、ウクライナで起きている出来事について、今後の世界について、自分が考えていくべき焦点を見つける契機となるような映画でタイムリーな企画とする事が出来たと思う。

JICA九州 2020年11月15日
『それでも僕は帰る』の映画上映を行いました。シリアでユーズサッカーチームのゴールキーパーとして活躍していた主人公が、シリア内戦によって人生を翻弄されていくドキュメンタリー映画でした。内容はとても生々しく、シリアの置かれている過酷な現実を突きつけられる映画の内容であり、私たちの生きる日本とはかけ離れ過ぎて、自分事として捉えるには難しい内容ではなかったかと思います。始まりは内戦であったものの、代理戦争に発展し、甚大な被害と多くの難民を生んでいます。国際社会に身を置くものとして、決して我々にとっても他人事ではありません。そんな現実に対し、私たちには何が出来るだろうかと考えさせられる機会となりました。
映画上映ののち、今回の映画の後援となっているAAR japan(難民を助ける会)より佐賀事務所長、大室和也氏(ウズベキスタンOB)にお越し頂き、中東シリアの現状に関しご講演頂きました。シリアの文化的背景や宗教等に関しお話頂いた後、シリア紛争に至るまでの経緯・概略の説明、団体として行われているシリア難民の方々への支援活動について、分かりやすくお話頂きました。

戦争は怖い
小学生のような感想ですが、
戦争って本当に怖いということを
映画を観た全員があらためて実感しました。

1人でも多くの方にぜひ観てもらいたい作品です。