サッカーボールを銃に持ち替えた青年
非暴力を貫きカメラで記録し続ける青年
戦争のなかに生きるシリアの若者たちを追った命懸けのドキュメンタリー
数字では決して伝えられない、人の痛み、悲しみ。誰が最も傷ついているのか見逃さないように。そんなメッセージが、映画いっぱいに込められている。(安田菜津紀 フォトジャーナリスト )
怖いのは、一度人を撃ったら、二度目はためらわなくなっていること。次第に目の輝きも表情も失われていきます。漢字で表せばたった 2 文字の「戦争」ですが、それが植え付けるものは計り知れません。(サヘル・ローズ 女優)
私たちが目撃すべきは、戦場と化したシリアじゃない。そこに至るまでの過程なのだ。世界は殺戮を止めるために全力を尽くしたか?そう問い詰められる強烈な映像の連続に息をのむ。(高遠菜穂子 イラク支援ボランティア)
News
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- 2015/08/02
- 昨日劇場公開が始まった『それでも僕は帰る ~シリア 若者たちが求め続けたふるさと~』。シリア内戦衝撃ドキュメンタリー。Yahoo!ニュース(オルタナ)に映画評が出ました。
About the film
内戦が続くシリア。「シリア革命の首都」と呼ばれる街ホムスで、2011年8月から2013年4月にかけて、2人の青年を中心に追ったドキュメンタリー。1人は当時19歳で、サッカーのユース代表チーム、ゴールキーパーをしていたバセット。もう1人は24歳の有名市民カメラマン、オサマ。当初、平和的な民主化運動を展開していた2人だが、終わりのない暴力の連続に、ついに武器を手に取る…。
More info
2011 年に始まった「アラブの春」と呼ばれる民主化運動の波。その影響を受け、シリアでも 2 人の青年が立ち上がった。サッカーのユース代表チームでゴールキーパーとして活躍していた当時 19 歳の青年 バセットは、そのカリスマ性から若者を惹きつけ、平和を訴えるシンガーとして民主化運動のリーダーになっていく。彼の友人で、有名な市民カメラマンである 24 歳のオサマは、デモの様子を撮影し、インターネットで公開することで、民主化運動を広げようとする。バセッ トは歌で、オサマは映像で、それぞれ非暴力の抵抗運動を先導していたものの、2012 年 2 月、政府軍の容赦ない攻撃によってホムスで 170人もの市民が殺害されたのを機に、バセットと仲間たちは武器を持って戦い始める。彼らはなぜ戦い続けるのか、生きることとは、戦争とは、ふるさととは......。シリアの民主化運動の中で生きている人々の“リアル”を映し出した作品。
Data
原題 | Return to Homs | 製作年 | 2013年 |
---|---|---|---|
製作国 | シリア、ドイツ | 制作 | |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 89分,53分 |
Cast & Staff
監督 | タラール・デルキ | 製作総指揮 | |
---|---|---|---|
プロデューサー | オルワ・ニーラビーア、ハンス・ロバート・アイゼンハウアー | 原作 | |
脚本 | 音楽 | ||
撮影 | 編集 | ||
キャスト |
Review(6)
15/06/18 12:13
15/08/05 13:27
さらにトークイベントもあるし・・・
と、消極的な理由で決めた映画の日の映画
『それでも僕は帰る』。
シリアって、サッカーなら
日本代表が勝てるかもしれないけど、
この環境を生きている人たちと、
自衛隊は戦いになるのか・・・
「やはり、今の日本人に戦争はムリ!」
冒頭にそんな考えが生まれてきた
シリアの民主化運動? というより内戦?
のドキュメンタリー映画なんだけど、
なんと、主人公がシリアユースの
人気ゴールキーパーだったのには驚いた!
映画のパンフレットで高遠菜穂子さんが
「私たちが目撃すべきは、
戦場と化したシリアじゃない。
そこに至るまでの過程なのだ。」
と書いてあるけど、まさにその通り!
「アサド政権は神をも恐れない。
だから、平和的な抵抗運動ではダメだ!」
と、ついに銃を取ってしまうシーンが示唆的だ!
神をも恐れないのは、この国の首相もそう。
だけど、僕らは決して銃を取らない!
銃を取るしかなかった主人公パセットは、
W杯予選の日本戦に出場の予定はなく、
今は、イスラム国と行動を共にしているらしい。
状況こそが、悲惨な選択を生んでしまう・・・
15/08/19 22:22
実際の戦闘シーンの連続に始めから終わりまでずっと息を呑んで観ていました。狙撃手から銃撃を受けたり、戦車から砲撃を受けたり、緊迫感はただならぬものが有りました。実際の戦闘で目の前の人が銃撃を受けて倒れたり、大怪我をしたり、これ程生々しい映像はこれ迄見た事が有りませんでした。ハリウッド映画とは比べ物にならない位迫力が有りました。(実際の戦争を撮影しているのですから当たり前ですが。)本物の戦争を映画にして良いのか?と疑問に思う程、他では中々観れないものです。残酷なシーンの連続に改めて戦争の恐ろしさを身近に感じました。
シリアで今実際に何が起きているのかを知る為にぜひ一人でも多くの人に観て頂きたいと思います。遠い国の出来事でどうする事も出来ないと無関心でいるのでは無く、もし日本で同様の事が起きたら、自分だったらどうするか考えてみて頂きたいと思います。
平和ボケした我々日本人はぜひ観るべきだと思います。
15/11/06 13:57
「なぜジャーナリストは危険な場所へ?」そんな声を度々耳にする。私たちはなぜ、その場所が危険だということを知っているのだろう。それは誰かがこうしてぎりぎりのせめぎ合いの中で、伝え続けてくれたから。
今日もニュースに、たくさんの数字が飛び交う。爆撃の数、傷ついた人の数、命を奪われた人の数。
数字では決して伝えられない、人の痛み、悲しみ。誰が最も傷ついているのか見逃さないように。そんなメッセージが、映画いっぱいに込められている。
高遠菜穂子 イラク支援ボランティア
私たちが目撃すべきは、戦場と化したシリアじゃない。そこに至るまでの過程なのだ。平和主義者が銃弾に倒れ、歌って踊るデモが流血に染まり、必死に映像を届けようとする若者たちに私たちはどうリアクションしたか?世界は殺戮を止めるために全力を尽くしたか?そう問い詰められる強烈な映像の連続に息をのむ。
元日本代表/オランダ VVV VENLO 藤田俊哉
1年前、シリアから来たコーチと出会った。彼は平和にスポーツに打ち込みたいからオランダに来たと教えてくれた。何気なく聞いていた、その言葉の意味がこの映画によってより理解できるようになった。彼と約束した!いつの日かお互いの国を率いて対戦しようと…心から平和を願う!そしてスポーツの力を信じている!
一覧
http://unitedpeople.jp/homs/message
16/06/12 13:26
お年寄りばかりだったのが気になった・・・。
実は何も知らずにアラブの春の話っぽい&ポスターイメージで見に行ったので、ドキュメンタリーというのも知らなくて。
(それ故、貯まったポイントカードで見てしまった!ベネフィット(収益の一部が寄付される)だと知ってればお金払ったのに・・・!)
近く、ISによるパリの大規模テロが起こり、報復としてシリアへの爆撃が激化(1日500〜600の爆撃)してしまった状況だったので、見なければならない、という変な義務感にかられました。
だってニュースの話題としてあっても、こんな話知らないし!
道渡ったら戦車に撃ち殺されるとか、移動手段が廃墟と化した民家を次々に歩いていく、とかショッキングな現実がそこにあって・・・。
つくづくネット社会だからこそ、であろうと思う。
PC並べてみんなカチャカチャやってる姿は異国とは思えない。
でも話してる内容はもらったお金を武器調達に使う、という明朗会計で。
主役を担うバセットは元サッカー選手の24歳。
最初は歌を歌ったり踊ったり、街中がみんなで団結して反体制を主張していたのに、わずか2年で彼の手には銃が握られる。
映画自体は2011年〜2013年の映像なのだそうですが、どんどん仲間が減っていくんだよ・・・。
バセットに限らず、若者が皆しきりに殉死したいと言ってたのがとても印象深い。
怪我を負うとこで神の名前を叫びまくってたのもすごいと思った。
それだけ宗教というのが大きいものなのか。
日本人には飲み込みづらい話ですね。
バセットがどうなったのか、周りの仲間たちや映っていない若者たちがとても気になります。
考えたくないけど、考えてしまう可能性。
こんなに本物の死体をダイレクトに見たのは初めてかも・・・子供とか、その映像だけで涙がでてきました。
虐待されて亡くなった死体の撮影方法とかがびっくりするぐらいザル。
2012年5月、カナダのトロントで開催されていたHot Docs カナディアン国際ドキュメンタリー映画祭でドイツの名物映画・テレビ番組プロデューサーハンス・ロバート・アイゼンハウアーさんが熱く語っていたそうだ。
目の前で銃撃戦が繰り広げられる様子は、この上なくリアルだ。
第二次世界大戦終結から70年。戦争の悲惨さを語れる体験者も少なくなりつつある今、リアルな今起きている戦争のドキュメンタリー映画を届け「決して戦争はしてはならない」という日本国憲法の誓いを再共有したいと思う。