大熊町は東日本大震災の原発事故で全町民が避難して、復興住宅に住民が戻り始めたばかりの町で「この映画が描く、グローバリゼーションからローカリゼーションと言うテーマを大熊町の復興にどの様に生かせるか?」と言うディスカッションテーマでお願いしたところ「50年前の日本の農村は、少なく共食品に関しては時給率が100%に近かった。その頃に戻るだけでも魅力的な町創りができるのでは!?」など、活発な意見交換が行われました。
今、問われる幸せとは?真の豊かさとは?
人や自然とのつながりを取り戻す暮らし方を探るドキュメンタリー。本当の豊かさとはなにか?それを、今こそ考える時ではないでしょうか。GDPからGNHへ。グローバリゼーションから、ローカリゼーションへ。世界中に広がるローカリゼーション運動のパイオニア、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジが、人と自然とのつながりを取り戻す、「ローカリゼーション」を提唱します。
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About the film
あなたは、「豊かさ」をどんなものさしではかりますか?
お金を持っていることでしょうか。便利で、快適な暮らしを送ることでしょうか。
今まで世界では国の豊かさを測る指標として「GNP(国民総生産)」や「GDP(国内総生産)」などが使用され、どれだけ経済成長したかということが「豊かな国」と定義だと信じられてきました。この考え方はグローバリゼーションの波に乗って世界中に広がり、世界の様々な地域に「開発」という名の「消費社会」が流れ込みました。結果、便利で快適に生活できるなどの正の側面がある反面、負の側面ではコミュニティの伝統的な暮らしが崩壊し、かつてはそこにはなかったはずの「新たな貧困」が生まれるようになったことも事実です。本当の豊かさとはなにか?それを、今こそ考える時ではないでしょうか。
More info
-ラダックに迫る近代化の波 -
急速なスピードで世界的に広がった近代化の波は、30年前まで外国人立入禁止地域だったヒマラヤの辺境ラダックにも押し寄せていました。西欧の消費文化はあっという間に彼らの伝統的な生活スタイルを一変させ、自然との関わりを切り離し、人との繋がりを希薄化させることにより、彼らのアイデンティティーや伝統文化の誇りまでも奪っていきました。その証拠に、昔はいきいきと目を輝かせて暮らしていたラダックの人びとが、10年後には「(欧米文化に比べ)私たちは何も持っていない、貧しいんだ。支援が必要だ」と訴えるようになったのです。
この映画では、消費文化に翻弄されるラダックの人びとの姿をもとに、世界中の環境活動家たちがグローバリゼーションの負の側面を指摘し、本当の豊かさとは何か、を説いていきます。
-答えはローカリゼーションにある-
監督のヘレナ・ノーバーグ・ホッジは、その解決の糸口として「グローバリゼーション」と対極にある「ローカリゼーション」を提案していきます。地域の力を取り戻すローカリゼーションの促進が、切り離されてしまった人と人、人と自然とのつながりを取り戻し、地域社会の絆を強めていく、と語ります。実際に世界では、「本当の豊かさ」を求め、持続可能で自立した暮らしを目指すコミュニティの構築が世界的に広がりつつあります。この映画の中では、日本の小川町での取り組みやキューバで起こったオイル・ピークについてのサステナブルソリューションについても取り上げています。
行き過ぎたグローバル経済から脱却し、持続可能で幸せな暮らしをどう作っていくべきなのか。そのヒントは日本の伝統文化の中にもあるのではないでしょうか。彼女はその気づきを我々に与えてくれるでしょう。
Data
原題 | The Economics of Happiness | 製作年 | 2010年 |
---|---|---|---|
製作国 | アメリカ、ニカラグア、フランス、ドイツ、イギリス、オーストラリア、インド、タイ、日本、中国 | 制作 | The International Society for Ecology and Culture (ISEC) |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 68分 |
Cast & Staff
監督 | ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、スティーブン・ゴーリック、ジョン・ページ | 製作総指揮 | |
---|---|---|---|
プロデューサー | ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(ISECの代表者) | 原作 | |
脚本 | 音楽 | ||
撮影 | 編集 | ||
キャスト | ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ 辻信一 ロブ・ホプキンス ヴァンダナ・シヴァ サムドン・リンポチェ ロナルド・コールマン |
Review(6)
14/05/16 17:13
14/05/19 10:55
14/05/13 12:09
やはりキーワードは、「ローカリゼーション」。この世界もまだまだ捨てたものじゃない、私たちにできることはまだまだたくさんあるんだ!という希望と勇気を与えてくれる素晴らしい作品です。必見です!!
16/04/16 13:00
17/08/16 15:27
個人的に、今の日本にとても必要なんじゃないかと思った。
グローバリゼーションはもちろんITの進化により、
人は直接的ではなくても、ネットなどを介して、
どこにいても、誰とでも交流が可能になった。
電車やバスではほとんどの人が下を向いてスマートフォンを眺める。
交流はほとんどないだろう。
しかし、やはり、人と自然、人と人、の直接的な繋がりが大事だと思う。
ローカリゼーションが行われている地域の人はとても生き生きしている!!
グローバリゼーションというもののマイナス面の現実を知れてよかった。
大きなものを優先するのではなく、地域という小さなコミュニティがひとつひとつ成り立ってこそ、
本当のしあわせが訪れるのではないかと感じさせれる作品だった。
上映会主催者の声
大熊町は東日本大震災の原発事故で全町民が避難して、復興住宅に住民が戻り始めたばかりの町で「この映画が描く、グローバリゼーションからローカリゼーションと言うテーマを大熊町の復興にどの様に生かせるか?」と言うディスカッションテーマでお願いしたところ「50年前の日本の農村は、少なく共食品に関しては時給率が100%に近かった。その頃に戻るだけでも魅力的な町創りができるのでは!?」など、活発な意見交換が行われました。
そして、劣等感を背景に、欧米諸国の様々な文化を途上国に売りつける。
私たちの社会は、以前に比べて間違いなく裕福になった。
しかし、裕福なのに幸せではない。
このメッセージが心に重く響きました。
私たちが幸せになるためには、いったい何が必要なのでしょうか。
経済成長がすべてを解決すると、国の指導者たちは語ります。
しかし、それが正しくないことは、すでに私たちの多くが気づいています。
GDPを追い求めても、私たちは幸せになれないのです。
私たちの暮らしが土地に根差していた頃、そこには失業も飢餓もありませんでした。
グローバリゼーションという大量生産&大量消費のシステムが、様々な課題を生んでいるのです。
グローバルからローカルへのシフトチェンジ。
まちの本屋の実例がとてもわかりやすく示してくれました。
ローカルに根差した本屋では45%が地域に残ったのに、グローバルな本屋ではわずかに13%でした。
ローカルを大切にすることで、そこに暮らす人々の顔が見えてきます。
グローバリゼーションではなかった「社会の一員」として認められるのです。
もしかしたら、この地域への帰属意識が、私たちの幸せと深く結びついているのかもしれません。
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だからこそ、とても濃密に議論を交わすことができました。
幸せってなんだろうというところや
どのようにつながることが、社会や地域にとってより良いのか。
社会人であるからこそ自分の行動を選ぶことができる存在として、
責任を感じるような映画でした。