
平和と人間の尊厳を追求するガザ出身医師の誓い
3人の愛娘を殺されてもなお共存の可能性を信じ、ヒューマニティに基づき行動するガザ地区出身の医師、アブラエーシュ博士に迫るドキュメンタリー
▼5度のノーベル平和賞ノミネート、イゼルディン・アブラエーシュ博士について
https://unitedpeople.jp/ishall/dr
【文部科学省選定作品】
社会教育(教材)
青年・成人向き 国際性(国際理解・平和)
2024年9月11日認定
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©Famille Abuelaish
About the film
~平和と人間の尊厳を追求するガザ出身医師の誓い~
「医療でイスラエルとパレスチナの分断に橋を架ける」。ガザ地区の貧困地域、ジャバリア難民キャンプ出身の医師で、パレスチナ人としてイスラエルの病院で働く初の医師となったイゼルディン・アブラエーシュ博士は産婦人科でイスラエル人とパレスチナ人両方の赤ちゃんの誕生に携わってきた。彼は、ガザからイスラエルの病院に通いながら、病院で命が平等なように、外の世界でも同じく人々は平等であるべきだと、分断に医療で橋を架けようとする。しかし2009年、両者の共存を誰よりも望んできた彼を悲劇が襲う。彼の自宅がイスラエル軍の戦車の砲撃を受け、3人の娘と姪が殺されたのだ。砲撃直後、博士の肉声をイスラエルのテレビ局が生放送し、彼の涙の叫びはイスラエル中に衝撃と共に伝わった。その翌日、博士は突然、テレビカメラの前で憎しみではなく、共存を語りだす。イスラエル政府に娘の死の責任を追求するも、決して復讐心や憎しみを持たない彼の赦しと和解の精神は、世界中の人々に感動を与え、“中東のガンジーやマンデラ”とも呼ばれる存在となる。しかし2023年10月7日のハマスのイスラエルへの攻撃、それ以降のガザへの攻撃を経て、彼の信念は再び試されることになる。
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悲劇を真の平和の実現のために
「医療でイスラエルとパレスチナの分断に橋を架ける」
ガザ地区の貧困地域、ジャバリア難民キャンプ出身の医師で、パレスチナ人としてイスラエルの病院で働く初の医師となったイゼルディン・アブラエーシュ博士は産婦人科でイスラエル人とパレスチナ人両方の赤ちゃんの誕生に携わってきた。「ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒の赤ちゃんの違いは?みんな同じく生まれたての赤ちゃんだ」「すべての人の平等、正義、自由の上に共存は可能である」と、共存が可能であることを自らの医療で体現してきた。彼は、ガザからイスラエルの病院に通いながら、病院で命が平等なように、外の世界でも同じく人々は平等であるべきだと、分断に医療で橋を架けようとする。しかし、両者の共存を誰よりも望んできた彼の赦しと和解の精神が、究極の試練にさらされる。
「暴力に暴力で対処しても、問題は解決しない。」
2009年1月、アブラエーシュ博士の自宅がイスラエル軍の戦車の砲撃を受け、3人の娘と姪が殺害されてしまうという悲劇が彼を襲う。砲撃直後、博士の涙の叫びの肉声はイスラエルのテレビ局で生放送され、イスラエル中に衝撃と共に伝わった。翌日、テレビカメラの前で、博士は突然憎しみではなく、共存について語りだす。その後、正義を求めてイスラエル政府を訴え、娘の死の責任を追求するも、決して復讐心や憎しみを持たずに、知恵と決意とレジリエンスを持ち続けた。彼の赦しと和解の精神は、世界中の人々に感動を与え、数え切れないほどの賞を受賞し、“中東のガンジー、マンデラ、キング牧師”とも呼ばれる存在となる。自伝『それでも、私は憎まない』は世界的ベストセラーとなった。しかし、2023年10月7日のハマスのイスラエルへの攻撃、それ以降のガザへの攻撃を経て、彼の信念は再び試されることになる。
【文部科学省選定作品】
社会教育(教材)
青年・成人向き 国際性(国際理解・平和)
2024年9月11日認定
Data
原題 | I Shall Not Hate | 製作年 | 2024年 |
---|---|---|---|
製作国 | カナダ・フランス | 制作 | Filmoption |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 92分 |
Cast & Staff
監督 | タル・バルダ | 製作総指揮 | マヤ・カデュー=ルイヤー、マルタン・カデュー=ルイヤー、マリーズ・ルイヤー |
---|---|---|---|
プロデューサー | ポール・カデュー、マリーズ・ルイヤー、イザベル・グリッポン、タル・バルダ | 原作 | |
脚本 | タル・バルダ、ジェフ・クライン、サスキア・デ・ボア | 音楽 | ロベール・マルセル=ルパージュ サウンドデザイン:マルタン・カデュー=ルイヤー |
撮影 | ハンナ・アブ・アサド | 編集 | ジェフ・クライン |
キャスト | イゼルディン・アブラエーシュ、クリスティアン・アマンプール、シュロミ・エルダー 他 |
Review(1)
上映会主催者の声

アブラエーシュ医師と一命をとりとめたお嬢さんの「憎まない」強い意志が平和への架け橋となり、一日も早い本格的な停戦の実現と継続、そして復興への動きをもたらしてくれることを願ってやみません。
多くの皆さんに観てほしい映画でした。

綾部市では過去に、イスラエル・パレスチナ双方の戦争孤児を招き交流する「中東和平プロジェクト」を実施しておりました。コロナ禍やパレスチナ情勢の悪化により中断しておりましたが、今回の関根様からの希望に満ちたメッセージは、平和活動再開への大きな機運となるものでした。
素晴らしい映画を配給いただき、誠にありがとうございます。また、遠路はるばる京都綾部までお越しくださり、貴重なご教示を賜りました関根様へ、心より御礼申し上げます。
今後も貴社と共に、平和活動を推進できますことを願っております。

上映会の開催自体は5回目となりますが、毎度少しずつプログラムを変えており、今回は第1部ではシネマダイアローグ付き、第2部ではトークイベント付きにしてみました。
昨年よりも参加者は少なかったのですがそのぶんシネマダイアローグでは内容の濃い対話が実現したと感じました。
シネマダイアローグのあとに「いろんなことを感じたけど今は言葉にできない」とお子さんが話していたことが印象的でした。
第2部の上映後トークイベントでは、「時の蘇生・柿の木プロジェクト」の海老沼正幸さん(樹木医)、宮島達男さん(現代美術家)をゲストにお迎えしました。長崎の原爆を生き延びた柿の木の子孫の苗木を世界中に植樹しながら子供達と平和について考えるプロジェクトのために母島に来島されたおふたり。「この映画のようなことが起こらないようにするために、じぶんたちはなにができるか考えましょう」とお話ししてくださいました。
長崎の原爆、小笠原島民の強制疎や硫黄島の戦い、そして今起きてるガザのこと。
過去と今を繋げて考えることで未来の平和を構築できると深く実感することができました。
アブラエーシュ博士の言葉は、親を持つ子、子を持つ親、つまり全ての人の心を揺さぶる力があります。この映画をみたら、世の中の紛争、虐殺は他人事じゃないとと痛感するはずです。母島は東京から1050kmも離れ、船で26時間もかかる人口450人の小さな島ですが、上映会に参加した全員がガザとの繋がりを感じ、他人事ではないと感じたのではないでしょうか。
最後に、参加者の感想を一部抜粋します。
『正直ガザの戦争のことを詳しく知らなかったのですが、知れるいいきっかけになったのと、子供たちにとっても世界や、戦争の事を知れるいい機会になったとおもいます!アブラエーシュさんの思いが遠い母島まで届いた事は凄いことだと思います。素晴らしい企画をありがとうございました。』
『幼少期の地元広島での平和学習、大学で国際紛争や貧困問題について勉強していた時の気持ちを思い出しました。
大学でJICAや国連の説明会を受けていた時の気持ちはどこに行ったんだろ、とちょっと自分が情けなくなりました。
色々考えるいい機会をいただいてありがとうございました。』
「この映画は、大切な人々を一瞬にして奪われ、泣き叫びながら「それでも」と立ち上がる一人の男性の軌跡です。その苦しみと信念に満ちた幾年がガザの外の人々に共有され、映画館の座席で追体験させてもらえることに、まず感謝したいと思います。 言葉では出てきても、なかなか形にはならない「平和」。いつかそれが実現されるとき、誰のためにどんな姿をしているべきなのか、改めてこの映画は考えさせてくれます。「それでも私は」と、一緒に立ち向かいませんか。」
並木麻衣日本国際ボランティアセンター(JVC)元職員/現ボランティア
「アナタは言えますか?
家族を殺され、同胞が殺されていく現実を
お墓すら作れない
遺体すら見つからない
犠牲になった人々は
亡くなった後も
天井のない牢獄の中に押し込めている
「全ての人のために “あの悲劇をプラスに変える”」
言えますか?
家族を殺されても
アナタは平和を願えますか?」
全文 https://unitedpeople.jp/ishall/cmt_shl
サヘル・ローズ俳優・タレント
「今、ガザで起こっている悲劇に対して私たちは何ができるのか?
私は迷わず、この映画を観ること、そして、多くの人に観てもらうことだと言える。なぜなら、この映画は何が今ガザで起こっているかを明確に教えてくれるからだ。
ガザでの悲劇は2023年の10月7日に始まったことではない。それは70年以上前からパレスチナで続いてきた悲劇と憎しみの連鎖の劇的拡大だ。
2009年1月、ガザのジャバリヤキャンプでイゼルディン医師は3人の娘と姪を同時に失う。しかし、恐ろしいことに今のガザではそれさえもありふれたことになってしまおうとしている。
しかし、決してありふれてはいなかったこと、それは彼がその悲劇に見舞われた後も「私は憎まない」という意思を掲げ続けたことである。それは「私は殺さない。あなたも殺すな」という意思の表明ではないか。そして、それこそが「共存」を可能にする人間の意志なのだと思う。」
吉岡達也ピースボート 創設メンバー・共同代表
「生命と平和の重さに気づかせてくれる映画
イスラエルによる2009年のガザ攻撃で娘三人と姪を自宅への砲撃で失ったアブラエーシュ医師は、イスラエル国家の謝罪を求めて裁判を起こし、最高裁まで争った。裁判所は最後まで国の責任を認めないが、娘たちの死を無駄にしてはならない法廷で闘う父親の必死の思いが、一方でイスラエルとパレスチナの平和を実現しようとする活動とつながっていることが納得できる。それはガザの難民キャンプに住みながら、イスラエルの病院でも働き、人間の誕生に立ち会ってきた産婦人科医としての信念でもあるだろう。いま、ガザで何万という民間人、子供たち、女性たちが虫けらのように殺されていく中で、生命と平和の重みに気づかせてくれる映画である。」
川上泰徳中東ジャーナリスト
「ガザの日常、家族の日常。あまりにも残酷に、国際法違反を臆面なく犯す国家や勢力。アブラエーシュ博士の生きざまに限りない尊敬、そして希望を見出す。」
土井香苗国際人権弁護士
一覧 https://unitedpeople.jp/ishall/rv