全世界を感動で包んだ話題のドキュメンタリー
ごく普通の市民が、アメリカの国立美術館に2000点以上のアート作品を寄贈した!?
奇跡を起こした情熱の老夫婦、ハーブとドロシーに拍手喝采!!
郵便局員のハーブと、図書館司書のドロシー、
夫婦共通の楽しみは現代アートのコレクションだ。
選ぶ基準はつたつ。
(1)自分達のお給料で変える値段であること。
(2)1LDKのアパートに収まるサイズであること。
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About the film
アートコレクターといえば、誰もが大きなプール付きの家に住む、庶民とは関係のないお金持ちを想像するだろう。しかし、国立美術館にコレクションを寄贈したこの稀代のアートコレクターが、小さなアパートに暮らすごく普通の老夫婦だといったら驚くはず。
『ハーブ&ドロシー』は、実在する現代アートコレクター、ヴォーゲル夫妻を追った感動のドキュメンタリー作品。公務員のふたりがいかにして膨大なコレクションを築いたのか?― その秘密を明らかにしながら、次第に“ほんとうに豊かな人生”のあり方を浮き彫りにしていく。お金儲けのためではなく、ただひたすら二人三脚で好きなモノを集めてきたふたりの姿は、発見する喜びと夫婦愛に満ちている。アートの知識なんてなくても、彼らの人生に触れれば、ほんの少し世界が変わって見えるはずだ。
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やがてふたりの存在は全米で話題となり、一躍有名人に。だが、彼らはコレクションの数点を売りさえすれば大富豪になれたにもかかわらず、ただの一作品も売ることはなく、いまも新婚当時から住み続けているアパートでわずかな年金でコレクションを続けている。
この現代のおとぎ話に衝撃を受けた佐々木芽生監督はふたりの姿を追ううちに、これは現代アートについての映画ではなく、豊かな人生を考える映画になると確信。ニューヨークでは口コミで感動が感動を呼び、17週のロングランを記録、その後、世界の映画祭で賞賛され大きな注目を集めた。日本でも2010年秋から全国50館を越える劇場で、ロングランを記録した。
Data
原題 | 製作年 | 2008年 | |
---|---|---|---|
製作国 | アメリカ | 制作 | |
配給 | 株式会社ファイン・ライン・メディア・ジャパン 配給協力:クレストインターナショナル、株式会社プラスディー | 時間 | 87分 |
Cast & Staff
監督 | 佐々木芽生 | 製作総指揮 | カール・カッツ、キャッシー・プライス |
---|---|---|---|
プロデューサー | 佐々木芽生 | 原作 | |
脚本 | 音楽 | デヴィッド・マズリン | |
撮影 | アクセル・ボーマン | 編集 | バーナディン・コーリッシュ |
キャスト | ハーバート&ドロシー・ボーゲル |
Review(0)
上映会主催者の声
コロナ禍という事もありますが、もう少し集まってもらえたら良かったなぁーとも思いました。
アートをじっくり観る時間、向き合う時間、想像する時間、考える時間を大切にすることを教わりました。
ハーブ、ドロシーから作家さん達と対話すること、大切に想うこと。どんな作品も(未完成だったり、土台となるものだったりの過程も大切なんだと気付かせてもらいました。
家族のように見守る優しさ、大切さ。
お互いにとって、高め合える関係になっていく素晴らしさ。
作品をどう観るか?でヒトによって感じ方が違う面白さ。新たな発見にも繋がり、そこから想像、創造することにも繋がると感じてました。
その為には、小さい頃からアートと親しむこと。観て感じることの時間を作っていく事は大事だなぁとも感じました。
作品を売らないアートギャラリーに、寄贈した事で、今まで眠っていた作品もたくさんの方に観ていただける機会にもなり、作家さんにとっても新たな息吹を吹かせる事が出来たこともハーブ、ドロシーの功績。
アートとどう向き合っていくのか?
自分たちがどう生きていくのか?
制限がある中で自分が出来る最大限のことを考えて生きる。
を考えさせてもらえた素晴らしい映画でした。
ほんわかで、ほわっとする心温まる映画でした。
アートってこれでいいんだ!!
とにかく仲の良いご夫婦の姿に癒されます。
アートは決して特別なものではありません。
高尚なものではなく、私たちの身近にあるもの。
生活そのものがアートとも言えるのかもしれません。
アートは美術館で鑑賞するものと無意識に考えてしまいますが、
彼ら2人にとっては、家に持って帰って観るもの。
タクシー、地下鉄に乗るものがアートなのです。
彼らが愛しているのは、作品ではなくアーチストの成長。
アートを購入しているけれども、本当に大切にするのは、
アーチストとの交流でありアーチストを育てることです。
もちろん優れた審美眼を備えているからこそですが、
同時にアーチストの成長を見つめる温かいまなざしも
間違いなくそこにあります。
象徴的だったのは、未完成の絵に対して、
「僕だったらそのままにしておく」と断言するシーン。
作家本人はまだ手を入れようとしているのに。
同様に、何枚かのイラストで構成された作品も
「これとこれは全体の中で不必要だ」と言い切って、
結局、作家自身にそのページを切り取らせてしまうことも。
もちろん、そこに至るまでに作家と夫婦の関係性が
しっかりと構築されているからなのですが、
ここに彼らのアートとの接し方が表れています。
完成した作品を購入するのではなく、
自らもそのアートに参加して、
購入することでアートが完成する。
あたかも子どもを育てるような視点で、
アートそのものもアーチストも育てていく。
これが2人にとっては当たり前のあり方でした。
人から何を言われようが、
ただひたすら好きなことを追い続けた2人は、
彼ら自身ががアートと言っても過言ではありません。
ああ、美術館に行きたいなあ。
この映画を観終わったみんなの正直な感想です。
アートに関心が高い人もそうでない人も、物語の背景にある幸福度や生き方についてなど考えるきっかけになってもらえたかな?と思います
以下のように感想をいただきました。
*
勇気づけられた。
コンセプチュアルアートのコンセプトをふっ飛ばしているのが感動的。
見ることが全てと嬉しくなった。
現代アートの魅力を知った。
あそこまで好きなことに邁進できるなんて!と衝撃を受けた。いろんな作品を見れて良かった。
お二人がとてもチャーミング。
好感の持てるご夫婦だった。
強い気持ちと大切なものを大切にできる心ってすばらしい。
アートって素晴らしいと手放しで言えるのはその人の在り方なんだと思った。
*
ハーブさんとドロシーさんは情熱を込めて買った現代アート作品をすべてナショナルギャラリーに気前よく寄付します。あちこちから寄贈してほしいと言われたけど、売却しないという規約のあるナショナルギャラリーを選びました。しかもこんな名セリフを吐いています。
「だってわたしたちは夫婦ともに公務員でしたから、税金から給料をいただいていましたのよ。だからアメリカの国民の皆さんにお返ししたかったのです」
良心をどこかに置き忘れてきたような政治家の皆さんに聞かせたい名セリフだなーと思いました。
また、ドロシーさんが最後に言われた言葉、「楽しいわ。今も変わらず。」も素敵でした。
ハーブさんとドロシーさんのピュアなアートへの愛と、お二人の素晴らしい人生を知る機会をつくれて主催者としても嬉しい上映でした。