難民キャンプで暮らしてみたら
ジャンル
教育 平和 人権 問題解決 時間 75分
製作年2015年
監督 クリス・テンプル、ザック・イングラシー
映画『1日1ドルで生活』の監督が再び、実践型ドキュメンタリーを制作!今度は85,000人が暮らす、難民キャンプへ。
2人のアメリカ人がシリア難民が暮らす難民キャンプで日常生活を体験するドキュメンタリー。
About the film
2人のアメリカ人青年の制作チームが、シリア難民が暮らすヨルダンのザータリ難民キャンプでの滞在を許可された。キャンプ内のテントで1カ月生活し、テントを張ったり配給に並んだりする難民の日常生活を体験。「隣人」たちとの日々の交流から見えてきたのは、トラウマを抱えながらも、自分にできることを見出し、平和を求めて懸命に生きる一人ひとりの姿だった。キャンプの外で暮らす8割の難民たちの生活についても知りたいと、近隣の町で暮らしている母子家庭も訪問。原題にある”Salam”とは、アラビア語で「平和」という意味を含むあいさつの言葉。
More info
グアテマラの貧困地域で2ヶ月間生活した様子を追ったドキュメンタリー『1日1ドルで生活』のアメリカ人青年、ザックとクリスが今度はシリア難民が暮らすヨルダンのザータリ難民キャンプで1ヶ月の生活を体験する。このキャンプにはシリアから逃れてきた難民が暮らしており、一時は20万人に達するほどだった。国連が初めてザータリ難民キャンプ内にテントを張って生活することを許可した最初の映画制作者として、2人はテントを建てたり配給に並んだりする難民の日常生活を体験していく。
全体で数百万人もの人々が家を追われて難民となったシリア危機は、第二次世界大戦後最大の人道危機といわれている。ザータリ難民キャンプで、人々はどんな暮らしをしているのだろうか?そこには2人の想像を超える困難の中、トラウマを抱え生き抜こうとしている人々がいた。世界で最も差し迫った危機の最中で生きる人々と出会い、戸惑い、時に涙しながらも徐々に自分たちができる役割を見つけていく。難民と世界とつなぎ、彼らをサポートするために。
Data
原題 |
Salam Neighbor |
製作年 |
2015年 |
製作国 |
アメリカ |
制作 |
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配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
75分 |
Cast & Staff
監督 |
クリス・テンプル、ザック・イングラシー |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
サラム・ダルワザ、モハブ・カタブクリス・テンプル、ザック・イングラシー |
原作 |
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脚本 |
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音楽 |
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撮影 |
シーン・クサナギ |
編集 |
モハメッド・エル・マナスターリー、ジェニファー・ティエキシエラ |
キャスト |
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
『難民キャンプで暮らしてみたら』のオンライン上映&ダイアログを開催しました。この映画は、2人のアメリカ人青年が、シリア難民が暮らすヨルダンの難民キャンプで1ヶ月のテント生活をするドキュメンタリー映画です。
映画を通して感じるのは、難民の人たちも自分と同じ人間だということ。ただ境遇があまりにも違います。今の自分の幸せを改めて感じ、同時にそうでない人たちの苦しい境遇についてリアルに考えさせられました。まさに、ドキュメンタリー映画の力です。
上映後の参加者ダイアログでは、時間をたっぷりとって、ZOOMのブレイクアウトルームで少人数の語り合いを行いました。参加者のみなさん一人ひとり、この映画を観た感想も違えば、印象に残ったシーンもさまざまでした。この映画の制作チームの勇気と信念に敬意をもちました。
難民キャンプの様子を克明に知ることができた。大変厳しい暮らしの中で、過去のつらい出来事も背負いながら生きる人たちの様子は衝撃的であった。と同時に、人間が生きるには笑顔や希望が欠かせないということも感じた。人は笑わなければ生きていけない。
また、そんな厳しい暮らしの中で男女の格差のない状況が生まれているのも印象的だった。働き方、役割などの男女差がない。究極に厳しい状況がそうさせているのではあるが、日本をはじめとする先進国にある格差が、難民キャンプにはないというのは複雑な気持ちである。
素晴らしい映画を鑑賞し、意義ある対話ができました。
映画製作者の米国人の若者とかれらの訪れる難民の方々の人間同士のふれあいに感動させられつつ、人間らしく生きるとはなにか、ということを深く考えさせてくれる、大変素晴らしい映画でした。
上映後の対話でもみなさんそれぞれの感じられたこと、学んだことを話してくださり、意義のある対話ができました。
本映画をみなさまにもおすすめします。
原題は「Salam Neighbors」
まさに隣人愛がテーマの作品。
コーランに「汝、隣人を尊べ」とあるから手伝いに来たと語るアラブの人たちは、なぜ盗みをしたり紛争を続けたりするのだろうか。
ISISなど過激な集団はいったい何がゴールなのだろうか。
作品中に登場する子供たちのどの絵にも涙が描かれているという現実にうちのめされ、学校に行きたくても行けない心の傷を抱えた少年に胸を痛め、だからこそこの子たちには希望の種が必要とのメッセージに心からうなずけます。
全編を通じて「同じ人間なんだ」と「同じ人間なのに」という思いが心を占めます。
同じ人間として私にできることはないのでしょうか。
難民キャンプの中に3000を超える店が並び数百万ドルの経済が回っている事実に、彼らのたくましさが見られます。
施しではなく人間らしい暮らしがしたい。
その思いが画面から溢れてきます。
難民となったことで慣習的な性差別から解放された女性の姿が印象的でした。
でも、シリアに戻ることができた時、女性の立場は元通りになってしまうのではないか。
ぜひ彼女たちには自分らしい暮らしが待っていてほしいものです。
子どもたちの職業観も正反対。
日本ではユーチューバーなどが人気。
楽をしながら自分のために働くという視点です。
ラウフという少年の夢は、勉強をして医者になること。
傷ついた人を救いたいという願いから、社会のために自分がどうやって役立てるかという視点です。
人の尊厳は守られるべき人権。
そのためには住居、就労、教育が保証されるべきだというラストのメッセージは本当にその通りだと思いました。
We are neighbors.
どこの国でも人は変わらない。
ヨルダンの難民キャンプの実情を一般市民目線で伝える大変素晴らしい映画でした。
映画上映後にはセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンから難民支援に携わっている方にゲストトークをしていただき、実際に難民キャンプでの子どもたちの環境や、支援団体の対応について説明していただきました。
「難民」というテーマに興味を持っていただく方が少なかったのか、参加者が少なくなってしまいましたが、多くの学びを得られる上映会になりました。