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コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~

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監督:アヴィダ・リヴニー
監督:ダーヴィド・グロス
監督:クリス・テンプル、ザック・イングラシー

コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~

ジャンル 環境 教育 平和 政治経済 人権 多様性 社会変革 問題解決
時間 90分 / 57分 製作年2016年  監督 マシュー・エディー、マイケル・ドレリング

1948年に軍隊を廃止。軍事予算を社会福祉に充て、国民の幸福度を最大化する道を選んだコスタリカの奇跡に迫ったドキュメンタリー。

Screening Information

2024/12/07
[ 千葉県 ] 二階シネマ第10回『コスタリカの奇跡~積極的平和国家のつくり方~』

上映会 開催者募集

About the film

1948年に軍隊を廃止。軍事予算を社会福祉に充て、国民の幸福度を最大化する道を選んだコスタリカの奇跡に迫ったドキュメンタリー

世界には軍隊なしで国の平和を保ってきた国々がある。そんな数少ない国の一つで、1948年に常備軍を解体した国がコスタリカだ。コスタリカは軍事予算をゼロにしたことで、無料の教育や国民皆保険制度を実現し、環境のために国家予算を振り分けてきた。その結果、地球の健全性や人々の幸福度、そして健康を図る指標「地球幸福度指数(HPI)」2016の世界ランキングにおいて140ヶ国中で世界一に輝いているのがコスタリカである。またラテンアメリカで最も安全とされている国でもある。

『コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~』は、1948年から1949年にかけて行われた軍隊廃止の流れを追いながら、コスタリカが教育、医療、環境にどのように投資して行ったのかを詳しく説明する。アメリカでは公的債務、医療、そして軍事費が日増しに増大していっていることとは対照的だ。この映画は軍隊廃止を宣言したホセ・フィゲーレス・フェレールや、ノーベル平和賞を受賞したオスカル・アリアス・サンチェスなどの元大統領や、ジャーナリストや学者などが登場する。世界がモデルにすべき中米コスタリカの壮大で意欲的な国家建設プロジェクトが今明らかになる。

More info

1953年、アメリカのアイゼンハワー大統領(当時)は、軍産複合体を批判する有名な演説「鉄の十字架」別名「平和に機会を」で「世界は別の道を選ぶことはできないのだろうか?」と問いかけた。今日のコスタリカに、その「別の道」を見いだすことができる。

コスタリカは1948年に常備軍を撤廃。1949年には憲法にも規定された。以来、軍隊に頼らず、条約や国際法、そして国際機関との関係を強化しながら国際的な関係性の中で独自の安全保障体制を構築していった。

莫大な予算が必要となる軍事費の支払いから開放されたコスタリカは、この予算をよりよい教育や国民皆保険制度の実現のために振り分けてきた。1948年12月1日に軍隊廃止を宣言したホセ・フィゲーレス・フェレールの「兵士よりも多くの教師を」というスローガンは有名だ。

このように、コスタリカは国際的な連帯や国際法を基にした平和国家建設への道を決断し、70年近く常備軍を持つことなく平和を維持し、繁栄してきたのだ。本作は、コスタリカを根底から揺るがした1948年の内戦の頃から軍隊廃止までの道筋を紹介する。コスタリカはこれまでの数十年で幾つかの重大な危機を乗り越えてきた。しかし、現在直面する危機が最も手強いものかもしれない。

「20世紀半ば、ホセ・フィゲーレス・フェレールが非武装を「制度化」した。
その後継者たちは、教育や医療、福祉を充実させることで、非武装を「文化」
にまで昇華させた。
21世紀の現在、彼らは環境問題に取り組むことで、その文化をさらに発展させようとしている。」
- 足立力也(『丸腰国家―軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略― 』著者)

「改憲をめぐって自衛隊の存在が論じられている今こそ、70年前に軍隊を解体したコスタリカの画期的な取り組みから学ぶべきことが大いにあります。日本の全国民にぜひ見て欲しい貴重なドキュメンタリーです。」
ー ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

Data

原題 A BOLD PEACE 製作年 2016年
製作国 アメリカ・コスタリカ 制作 ソウル・フォース・メディア、スパイラル・ピクチャーズ(制作協力)
配給 ユナイテッドピープル 時間 90分 / 57分

Cast & Staff

監督 マシュー・エディー、マイケル・ドレリング 製作総指揮
プロデューサー マシュー・エディー、マイケル・ドレリング 原作
脚本 音楽
撮影 編集
キャスト ホセ・フィゲーレス・フェレール オスカル・アリアス・サンチェス ルイス・ギジェルモ・ソリス クリスティアーナ・フィゲーレス

Review(21)

21/08/01 12:26

nora neko さんのレビュー
感動
憲法九条、このままでは宝の持ち腐れ、豚に真珠、猫に小判ニャン。
自衛隊ー>保安隊ー>警察予備隊ー>国際救助隊(サンダーバード)

17/05/02 18:10

20世紀半ば、ホセ・フィゲーレス・フェレールが非武装を「制度化」した。
その後継者たちは、教育や医療、福祉を充実させることで、非武装を「文化」
にまで昇華させた。
21世紀の現在、彼らは環境問題に取り組むことで、その文化をさらに発展させようとしている。

コスタリカ人たちは、非武装による平和という「文化」を共有している。
あたかも、あらゆる日本人が桜を愛でるかのように。
フィゲーレスの政敵であった人たちさえもその例外ではない。

非武装は決して非現実的な夢想ではない。
かといって、平和はどこかから降ってくるものでもない。
平和とは、常に何かに脅かされる脆いものだからだ。
だからこそ、「自ら常に前に向かおうとする文化」が最大の武器になる。
長年の苦闘の末コスタリカ人たちがたどり着いたその境地は、マハトマ・ガンジーやマーチン・ルーサー・キング・Jrが出した結論と重なり合う。

文化とは、「誰にでも共有可能な無形物」だ。
だったら、私も、あなたも、その文化を共有できるのではないか。
それが世界中に広まれば、戦争も貧困もなくなるのではないか。
この映画は、そういった希望のヒントを提供してくれる。

- 足立力也(『丸腰国家―軍隊を放棄したコスタリカの平和戦略― 』著者)

17/05/19 18:12

「この映画を、コスタリカの自宅で見た。
見終わった後、あたたかい涙が流れた。
でもそれは、コスタリカが「奇跡」を成し遂げたからではない。
「軍隊は必要ない。敵がいないし、敵はつくらないから。
問題が生じた時は、話し合い(外交)で解決する。」
そんなある意味、当たり前のことを、
コスタリカの政治家と国民とが一体となって達成し、
このクレイジーな世界で、淡々と保持し続けている。
それでいいんだよね、という安心感
ありがとう、という感謝の念
コスタリカに暮らして感じる心地よさ
そんなものが入り混じって、涙が流れたんだと思う。
この映画をきっかけに、多くの人の意識がコスタリカ
そして愛と対話に包まれた世界に向くことを、祈願している。」

コスタリカ在住 平和環境活動家 丹羽順子
https://www.imakoko.org/

17/07/05 19:43

ひろこ さんのレビュー
感動 学び
悲しい戦争を繰り返してはいけない、
人は誰しも平和に生きる権利がある、
これまでも戦争で引き起こされる悲劇を扱った映画にはたくさんふれて、争いに反対であるという意識は強いと思っていた。
しかしながら、この映画を観て改めて、自衛隊がすぐそばにあり同級生や親せきにも関係者が多数いるという環境で育った私には、それが日本における「武装」であるという意識が薄いのかもしれない、とある種の怖さを感じた。
コスタリカのいまを暮らす人々にとっては「常備軍」が普通ではない。大半のコスタリカの人々は生まれた時から平和が普通(戦争が病気)。本当にいい国!みんなで見習おう!冒頭の明るい映像とはウラハラに、その理想的な国家が強力なリーダーシップ、闘い、そして歴代のリーダーに引き継がれてた努力の賜物、そして諦めなかった民意の勝利であることを知り、心が揺さぶられた。
実は見せかけの平安であること、気づかないうちに、普通の感覚が異常の渦にまぎれしまっている日々。気づいた瞬間から、薄い紙を一枚一枚積み重ね続けるような行動が必要だと気づかされた。

17/07/06 18:38

YU-MI さんのレビュー
感動 学び
「平和を維持するためには軍備や核による抑止力が必要」という誰が決めたのか分からない“常識”は、必ずしも正しくはないということ。事実、常備軍を持たずとも平和を維持している国家がある。この映画は、コスタリカが軍備撤廃を実現する道のりを通して、世間で常識とされていることが本当に正しいのかどうか疑い、勇気を持ってそれを覆し、理想を実現する素晴らしさを教えてくれる。
世の中の“当たり前”に挑むことは簡単なことではない。それは、押し寄せる川の流れの中で自分だけ逆走するようなものだ。けれども、強い人の意見や大衆の潮流に流され、思考停止して常識に従うのではなく、本当に正しいのか、疑ってみること。他により良い道はないのか、探ってみること。自分の頭で考え、それが正しいと確信しているのであれば、勇気を持って実行すること。それが大切なことだし、そうすることによって、常識的には無理だと思えるような理想でさえも実現することができるんだ!という勇気を、この映画からもらえた気がする。
平和維持のための常備軍の存在の他にも、「常識としてまかり通っていている、でも、本当はおかしなこと」は世の中にたくさんあると思う。コスタリカの存在は、常備軍の必要性に一石を投じるだけではなく、そんな常識を覆して理想を実現する勇気を、私たちに与えてくれる存在だと感じた。

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上映会主催者の声

上映会を主催された方の声を紹介します

上映後、参加者が拍手の波が‼
みどりアートパーク 2024年09月19日
エンドロールが終わり、上映時間が過ぎても、お客様がホールから誰も出てこないので、「?」と思って、扉の隙間からそっと中を覗いたら、暗がりの中で一斉に拍手が沸き起こっていました。有名人も出ていない、正直、地味目な映画にしては珍しく、印象的でした。以前、前売券をお求めになった高齢の男性がチラシの宣伝文を見て、「本当なの?とても信じられないなぁ」と何度もつぶやいていたのも、印象に残っています。そのお客さんならず自分も、危険地帯である中米エリアで、軍事費を無くして教育や社会福祉、環境などに充当する国が存在するなんて、メルヘンチックな話があるのだろうか?と、半信半疑でした。正直、第1章を見た限り何か、空々しさも感じていました。しかし、章を重ね、80年代までの歴史を紐解いていくうち、強国アメリカからのプレッシャーを何度もかけられながら、屈しない骨太な政治指導者と国民の姿に、徐々に感動している自分がいました。そして21世紀を迎え、近隣エリアにまで影響を及ぼしている小さな国のことを、この映画のお陰で知れたことを喜ばしく思えました。当館に足を運んでおられるお客様の多くが60年代・70年代安保を通過している世代であって、私たち世代以上に感激され、上映後の静粛から拍手、というシーンに至ったのでしょう。この映画は、クリスマス時期に上映を予定している「ANIMALぼくたちと動物のこと」の予習的に選択したものですが、観なければとても知りえなかった世界に出会えた、珠玉の作品だったとつくづく、思います。また、今回は、当館のジャズ(ビッグバンド)関連コンサートのプロモーションとして上映後、ロビーでラテンジャズライブを実施。コスタリカにまつわる曲も演奏してもらい、コスタリカのフェアトレード・コーヒー(有料)も楽しんでもらいました。ジャズライブを目当てで映画鑑賞された<政治に対する意識が高い>団塊の世代。そういう人たちにリリースできたことはとても有意義でした。

平和とは?難しさを感じました
寿シネマ 2024年08月22日
他国の干渉を乗り越え、軍隊を持たない国となり、一時的に幸福度は高まっていたが、後半には新たな貧富の差による紛争の種が見えてきていたことに、難しさを感じました。
それでも、軍を持たない、国際法に委ねるという決断を続けてこられたことは素晴らしく、日本にも学ばなければならないところがあると感じました。(参加者インタビューより)

国民が選択し続けた平和
どうしても見たくて再度、上映会に選びました。
参加者の感想のなかには、
結局、平和のスタートは軍事的な力が必要だったのが残念との感想もありました。

しかし、私は、改めてこの映画を見て、火薬庫のような南アメリカ大陸のなかで、アメリカ合衆国の干渉を排除し、国際法の力を信じ、ヨーロッパなどの共感も得ながら、外交努力を続け、今も、教育や自然環境保全に重点をおいた国策を続けている。

ドキュメンタリー映画を通してなので、実際に、コスタリカのみなさんのお話を聴いたわけではありませんが、国民一人一人の選択の力、意志の力を感じました。

平和を選択し続けることは、お花畑でもなんでもなく、強い意志の力と人を信頼する力なのだと思いました。

また、見たい映画だと思っています。