使った廃油 684.5リットル。
走行距離 5079km。
救出した食材690kg。
「食糧危機」を吹き飛ばすエンターテイメント・ロードムービー
監督:ダーヴィド・グロス、ゲオルク・ミッシュ
脚本:ダーヴィド・グロス
制作:ミスチフ・フィルムズ
原題:WASTECOOKING
配給:ユナイテッドピープル
2015年/オーストリア/81分
About the film
世界で生産される食料の3分の1は食べられることなく廃棄されている。その重さは世界で毎年13億トン。「捨てられてしまう食材を救い出し、おいしい料理に変身させよう!」と考えた食材救出人のダーヴィド。植物油で走れるように自ら改造した車に、ゴミ箱でつくった特製キッチンを取り付け、ヨーロッパ5カ国の旅へ出発。各地で食材の無駄をなくすべく、ユニークでおいしく楽しい取り組みをしている人々に出会いながら、食の現在と未来を照らし出していくエンターテイメント・ロードムービー。
More info
『0円キッチン』はジャーナリストで“食料救出人”のダーヴィドが食料廃棄をなくすため、廃油で走るキッチン・カーでヨーロッパ5ヶ国を巡り、廃棄食材クッキングの旅に出るエンターテイメント・ロードムービーだ。消費社会に生きる私たちは、まだ食べられるのに大量の食料を毎日捨ててしまっている。世界食糧計画によると、世界で生産される3分の1の食料は廃棄されており、その重さはヨーロッパ全体で8900万トン、世界全体では毎年13億トンにもなる。各地で食に関するユニークな取り組みを行う人々と出会いながら廃棄食材料理を振舞い意識変革にチャレンジするダーヴィドの『0円キッチン』の旅から食の現在と未来が見えてくる。
ダーヴィドは「どうやったら捨てられてしまう食材を救い出し、おいしい料理に変えることができるのだろう?」と問いかけ、廃棄される予定だった食材を救出し、廃棄食材料理を作って出会った人々に届けていく。旅に使うのは植物油で走れるように改造した自らの車で、ゴミ箱で作ったキッチンを取り付けオーストリア、ドイツ、オランダ、ベルギー、そしてフランスへと旅していく。使った廃油は684.5リットル、走行距離は5079km、救出した食材は690kg。彼は食材を救い出しつつ、それぞれの国で食の問題に取り組む活動家たちと出会いアイデアを学んでいく。
Data
原題 |
WASTECOOKING |
製作年 |
2015年 |
製作国 |
オーストリア |
制作 |
ミスチフ・フィルムズ |
配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
81分 |
Cast & Staff
監督 |
ダーヴィド・グロス、ゲオルク・ミッシュ |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
ラルフ・ヴィザー |
原作 |
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脚本 |
ダーヴィド・グロス |
音楽 |
ジム・ハワード |
撮影 |
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編集 |
マレク・クラロフスキー |
キャスト |
ダーヴィド・グロス
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
ハコザキの商店街に0円シェアキッチンをつくりたい。
本作を観るのは、数回目のことだったのですが、観るたびに新たな発見がありました。今回は特に、構成やストーリーの流れがよく練られていることに改めて感じ入りました。
参加者は、場所に程よく収まる人数で、また、箱崎の商店街の方から一般参加者まで、属性も老若男女も問わず、多様な方々が集まって、和気藹々と上映後のトークまで盛り上がりました。
箱崎商店連合会としても、何か取り組みを始めようとの機運も盛り上がりましたが、飲食店の加盟が多いため、商店街事務局も入居するまちの寄合所(シェアスペース)にて、加盟店から集めた食材を使った0円シェアキッチンができたら面白いなと思っているところです。
最後に、参加者から頂いた、印象に残ったシーンの感想を抜粋してお届けしておきます。
「スーパーや家庭の食料廃棄物を禁止している都市のシーン。シンプルに革新的で素晴らしい思考の市長が消費ではなく、食べ物を大切に食べなければならないという考えを徹底していると感じました。ダーヴィドが捨てられていたことを伝えた際に調査員を向かわせたいと話していて、町全体で取り組んでいくことためにはリーダーが強く意味を感じていないとなかなか巻き込んでいけないのだと思いました。」
「オーストリアでの抜き打ちチェックをしている中で食べ物を廃棄することに対して考え方が各家庭で大きく異なっていたこと。
1つの家庭では見た感じは食べられるものを躊躇なく廃棄していて、もう一方では絶対に無駄にしないと断言していて、育った環境や家族の考え方は「食育」に大きな影響を与えるのではないかと感じました。」
「音楽パーティーをした後に、ダーヴィドが食料廃棄の問題に改めて直面してショックを受けていたシーン。
同じ地球の反対側では飢餓で苦しんでいる人や常におなかをすかせている人がいるにも関わらず、生産される1/3が廃棄されているのはとても愚かだと感じました。」
生活協同組合コープこうべの職員・組合員で視聴しました。食を扱う仕事をする中で、普段の食料廃棄の現状について問題意識があり、賞味期限の考え方を見直したり、フードドライブ・フードバンクへの寄付などさらに取り組みを強めないといけないという感想がたくさん上がりました。
参加された中3のお子さんを持つお母さんから「学校から給食は7割残して廃棄されると言われてびっくりしている」と聞きました。
給食は「美味しくない」という理由らしいと言うので、私は「スパイシーな生活」を提案しました。コリアンダー、クミン、カルダモン・・・効能を調べたり味や香りの好みや調理で余っているスパイスの活用として「マイ スパイス ミックス」を作って持ち歩いておかずやご飯や味噌汁に使う。塩や砂糖などで味を変えるのは健康に影響するでしょうけど、自分の体調に合わせたスパイスなら良いですよね。それを学校で許可するように相談してみたらうまくいかないかな〜と。
柿の木、梅の木など、季節になるとたわわに実をつけているのに人は収穫せず鳥や虫に任せてしまい朽ちていくのを見ているとドイツのように勝手に収穫して良いという風にしたいです。私有地に入っただけでも怒られ、実をもぎ取ったら泥棒扱いされるのではなく、ここから入って、収穫して、ここから出てくださいねという「共有物」にできる自治体の条例などを提案してみたいです。
「食べる森」というのを聞いたことがあります。子ども食堂の運営には、誰でも食べていい畑が欲しいし森も欲しいです。外国人労働者の方もコロナ禍で仕事がなくなって食べるのに困っていると聞きます。食べる森があれば、森に人が入るようになり、森が人のテリトリーと知れば森の動物もさらに奥に引っ込むので、畑が動物に荒らされる被害も少なくなると思います。人の住居と、動物の森との間に、畑、食べる森を置くことで、「人の住居」~「畑」~「食べる森」~「動物の森」という間・あいだが生まれるのは良いのではないでしょうか
思ったことを行動するダーヴィト氏に、周囲の人は色々なことを気づかされています。
行動しなければ何も変わらない...それこそ、この映画の一番の教えだと思いました。
私は「おから」の廃棄問題に取り組んでおります。
少しでも学びになればと、今回拝聴させていただきましたが
少しの学び...などとんでもない!
自分の今後の活動が変わって行くのではないかと思えるほどの感動でした。
何事も受け入れる柔軟な姿勢と、信念、そしてタフネスがなければ
彼の真似はとってもできない。
街路樹の実、そして昆虫食
これこそ本当に、取り組まない理由が見つからないですよね。
チョッピングパーティー
そして小学校での振る舞い、
全ての人の表情がとても印象的です。
彼らが各自、自宅にその体験を持ち帰り
そしてまた多くの人に伝えるのでしょう。
食肉の問題、食堂での食べ残し
あの食堂のシェフの表情が、大変印象的でした。
まずは現場が変わらなければ…
誰かが、何かのアクションをしなければ!
最後にダーヴィト氏が言っていた言葉
自分がヒマになるときが来れば…
そのために、この映画を観た私たちが
世界中の第2、第3のダーヴィト氏となって
まずは身近な地域から、出来ることから
アクションを起こすことが大切なのだ。
心の中の何かを揺さぶられるような
メッセージ性のあるロードムービーでした。
今日からでも遅くないですよね
「まずは自分に出来ることを」
この作品に出会えたことに心から感謝を✨