抱く{HUG}
ジャンル
環境 その他 時間 69分
製作年 2014年
監督 海南友子
<Sole Luna Documentary Film Festival Parlemo 2015 審査員評>
原発事故に苦しめられる人々の苦しみと恐怖を、感情や日々の暮らしを通じて巧みに描いた。
緊張感溢れる優れた編集で魅せる、胸をしめつける物語。
「核のゲーム」がたやすく奪う我々の暮らしと、「低コスト」エネルギーの真の代償を繊細に描いた。
自身と我が子を危険にさらしながらも、冷静に悲劇を記録する監督の勇気ある決断と信念に。
VIDEO
© ホライズン・フィーチャーズ
About the film
Introduction ーイントロダクションー
あの日から変わってしまったこの空の下で、君を抱きしめる——。
生まれてくる命のために、私はどんな未来を描けるのだろう。
これは、わが子とその未来を守る母の、愛と絆の記録。
「あなたを全力で守るから。だからどうか、無事に生まれてきてください。」
そう言って自分のおなかを優しく抱きしめる母。
映画『抱く{HUG}』は、新しい命と、強く美しい母の愛が生まれる瞬間を捉えた、感動のドキュメンタリーです。
監督は、これまで一貫して環境問題や逆境に生きる人々に焦点を置いた作品を発表してきた海南友子。次なる取材地に福島を選び、3.11直後に原発4キロ地点にまで肉薄して取材をしていた海南監督は、その矢先に妊娠していることに気づきます。不妊治療の末、とうに諦めていた初めての妊娠でした。
More info
命の輝き、母の愛、この世界に生きるということ。
水を飲み、大きく息を吸うたびに赤ちゃんへの影響が心配になる。福島で出会った母たちの苦しみが、そのまま自分のものとなりました。そして、生まれてはじめて自分にカメラを向ける決心をするのです。
40歳での初めての出産、そして放射能の不安との闘いの日々。壮絶なつわり、緊急搬送されるまでの激痛。これは年齢のせいなのか、それとも放射能の影響なのか。取材を続けるべき?それとも?
監督は、迷い、苦しみながら自身にカメラを向け続けます。何もかもが変わってしまったこの世界で、母となる意味を記録する為にーーーー。
ここに、ひとりの母親による心揺さぶる魂の記録が誕生しました。
Data
原題
製作年
2014年
製作国
日本
制作
ホライズン・フィーチャーズ
配給
ユナイテッドピープル
時間
69分
Cast & Staff
監督
海南友子
製作総指揮
南幸男、向山正利
プロデューサー
向山正利、向井麻理
原作
脚本
音楽
撮影
南幸男、向山正利
編集
キャスト
上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
非常に緊迫感のあるシリアスな作品でした。
上映後に参加者のみなさまと感想を共有しましたが、やはり震災を経験された方は、当時のことを思い出していらっしゃいました。
また、ご出産を経験された方からは、「妊娠中のただでさえ不安な時期に、放射能の影響を心配する気持ちは計り知れない。これから子供が健康面で何か起こるたびに、自身が現場に足を踏み入れてしまった後悔が付きまとうと思う。」と胸が痛む感想をいただきました。
それぞれご自身の経験と重なる部分で強く感じることがあり、それを参加者様同士で共有できて貴重な時間となりました。
いただいた感想の一部をご紹介します。
\私たちのカエテク宣言/ ~映画を見て「変えていきたい」と思ったこと~
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・次の選挙で、今まで以上に未来の社会に向けた投票をしたいと思います
・エネルギー自立を目指します
・小さなことかもしれませんが、自分ができることから省エネをコツコツ頑張ります!
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これからも社会課題について知り、行動するきっかけとなる上映会を目指します。
あれから10年経つというのに、あまりにも当時の映像が鮮明で、言葉が出ませんでした。
今も変わらない原発事故の爪痕に、私達は原発のない社会を目指すために声を上げ続けないといけないと改めて思いました。
日光ソーシャル映画祭vol.15「抱く{HUG}」
セルフドキュメンタリーということもあって、緊張感が伝わる良い映画でした。福島で子どもを育てていく母親の気持ちを考えると切なくなると参加者の方から感想が、印象的でした。
3.11という、私たちが忘れてはいけない出来事の一つの中には
地震、津波だけではなく、放射能という目に見えない恐怖にも襲われました。
女性映画監督でもある、この映画の主人公は、
原発4キロ地点まで近づき、取材をした勇気ある女性です。
そんな彼女はその取材中に、妊娠に気づきます。
不妊治療の末、とうに諦めていた初めての妊娠。40歳。
放射能の影響という恐怖を抱えながら、壮絶なつわり、
病院に運ばれるほどの激痛を乗り越えていきます。
女性にはもちろん、男性にも一度観てほしい映画となりました。
いるところが、一児の母としてやはりより共感するところも多かった。
監督が自らに体を張って取材をしているのにも大変驚いた。
前半のシーンで、赤ちゃんを抱いている福島のお母さんの放射線レベルを
防備した計測員が測っているのはやはり衝撃だった。人々は、無防備に見えない恐怖と日々直面していて、
何かしなければと思わさせられた。