世界で最も過酷な場所で、希望を捨てずに生き抜こうとする者たち。
北朝鮮の政治犯強制収容所に生きる家族を描いた、衝撃の人間ドラマ。
世界の映画祭で絶賛された真実の物語。
北朝鮮の政治犯強制収容所で、過酷な毎日を生き抜く日系家族とその仲間たちの姿を3Dアニメーションとして完成させた衝撃作。
レオナルド・ディカプリオも激賞したドキュメンタリー映画「happy - しあわせを探すあなたへ」のプロデューサーの清水ハン栄治の初監督作品。収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い10年もの歳月をかけて作り上げた。
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本作はアニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威ある映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネート、第33回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」ほか、名門レインダンス映画祭では異例の2部門での招待作品となり、伝統あるワルシャワ国際映画祭ではフリースピリット部門の審査員特別賞、ナッシュビル映画祭では長編アニメ部門グランプリ。韓国のプチョン国際アニメーション映画祭では長編部門の特別賞に輝くなど世界中で話題となっている。
About the film
10年間かけて、脱北者元看守たちの証言を元に紡いだ
「実在する場所」真実の物語
強制収容所内の恐るべき実態を描きつつ、家族愛、仲間との絆・ユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが表現され、ラストにはひとつの希望を見い出せる内容となっている。衝撃的な内容を実写でなく、あえて優しいタッチの寓話的なアニメーションにすることで、より多くの観客が自身を投影しやすい表現が可能となった。
絶望と希望の狭間で少年は何を見るのか? 北朝鮮で政治犯となった日系家族の物語を描いた、衝撃と感動の3Dアニメーション。 1960年代、日本から北朝鮮への帰還事業に参加したパク一家。平壌で幸せに暮らしていた一家は、突如として父親が政治犯として逮捕され、悪名高い政治犯強制収容所に送られる。過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは純粋な心を失い、他人を欺く術を学ぶ。一方、母と妹は人間性を失わずに生き抜こうとする。そんなある日、愛する家族を失うことがきっかけとなり、ヨハンは絶望の淵で「生きる」意味を考え始める。 視聴者を歴史の目撃者としてしまうこの衝撃作は、世界中の映画祭で高く評価され、日本の国会やアメリカの国務省などでも特別上映されている。
More info
絶望の淵で、人は「生きる意味」を見つけられるのか? 1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後、家族全員 が突如悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い他者を欺く一方、母と妹は人間性を失わず倫理的に生きようとする。そんなある日、愛する家族を失うことがキッカケとなり、ヨハンは絶望の淵で「人は何故生きるのか」その意味を探究し始める。やがてヨハンの戦いは他の収監者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。
Data
原題 |
TRUE NORTH |
製作年 |
2020年 |
製作国 |
日本、インドネシア |
制作 |
|
配給 |
東映ビデオ |
時間 |
94分 |
Cast & Staff
監督 |
清水ハン栄治 |
製作総指揮 |
ハン・ソンゴン、アンドレイ・プラタマ(制作) |
プロデューサー |
清水ハン栄治 |
原作 |
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脚本 |
清水ハン栄治 |
音楽 |
マシュー・ワイルダー、コン・ソヌク(音響) |
撮影 |
メリータ・ブディマン |
編集 |
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キャスト |
ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス、エミリー・ヘレス
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
エスペーロ能勢の屋根裏シアターは、こんな感じでやっています。夏は屋根裏が暑くなるので午前中に開催し、各回5名様までとしています(9月からは13:30上映スタートに戻します)
今回の屋根裏シアター「トゥルーノース」は3日間で14名の参加をいただきました。屋根裏シアターとしては初めてのアニメーション映画でした。最初は、うん?アニメ?と思いましたが、観ていくうちに、まったく違和感なくぐんぐんストーリーに引き込まれていきました。
北朝鮮で、政治犯強制収容所に入れられた人たちがどれだけ過酷な生活を送ったのか(今も送っているのか)清水ハン栄治監督は、収容所看守であった脱北者からの証言をもとにして10年の歳月をかけてこの映画を作ったそうです。
近くでありながら、ほとんど国の実情がわからない北朝鮮の内情が、かなり真実に近く描かれていると思います。また、どんな過酷な状況にあっても人間らしさを失わなかった人々がいることを教えられます。
ここで言うノースとは北朝鮮の北のことを言いますが、参加者のおひとりが「コンパスが常に北を示すように決して変わらない重要な目標」という英語の慣用句であることを教えてくださいました。
参加者のみなさん同様、私も大変心を打たれた映画でした。屋根裏シアター常連さんのおひとりも「これまで観た中でいちばん感動しました」と言われていました。機会があれば、多くの方に観てほしい、北朝鮮に心を寄せてほしいと思わせる映画でした。
上映会を企画するまではまったく知らない映画でした。
でも、上映会の終了後には評価が一変していました。これは、日本人なら全員読んで欲しい…と思います。
TEDのシーンから始まるわけですが、ぜひこのときのTEDも合わせて上映したいと願ったものでした。映画単独としての完成度の高さがこのテーマの描写を可能にしているわけですが、やっぱり生の声も聞きたいという思いがあり。映画を見て、感想をシェアして、そしてTEDを見て、また語り合いたい。そんな上映会の企画が見えてきたように思います。
おそらくこの映画は、公開の際にも国内ではほとんど話題にならなかったのではないでしょうか。しかし、映画そのものは、世界中のすべての人に見てもらいたいと思うほどの仕上がりとなっていました。物語を追っかけているうちに、フィクションとノンフィクションの境目が溶けていく。それこそが、映画というメディアの真骨頂なのではないかと思います。