4年間続いたサラエボでの過酷な状況に、胸が痛みました。
日中は狙撃や爆撃の恐怖が続き、明日がどうなるかもわからない生活。
それでも人びとは夜になるとクラブに集まり、音楽に熱狂していました。
日々の不安を忘れ、永遠のような一瞬につながろうとしているようでした。
U2もサラエボに深い関心を寄せ、戦火の中にいる人びとを励ますために中継ライブを行います。
励ましの思いと、実際には力になれない無力感。
音楽がすべてを解決するわけではありません。
それでも、音楽が人々の癒しや希望になる瞬間に、確かな力を感じました。
平和が戻ったサラエボでのU2ライブでは、観客みんなが解き放たれたように、熱いビートを感じました。
感想シェア会の意見をまとめます。
・サラエボのことを少しはニュースで見ていて知っていたはずなのに、映画の中には知らないことが多々ありショッキングでした。自分の知らなかった発見や気づきになりました。
・重い題材だというイメージがありました。当時の状況というのは世間から見放されて、そういった戦争があったということが忘れ去られようとしている。もう少し詳しく調べようという気持ちがでてきました。
・背景をあまり理解していないこともあり、映画の歴史的な内容についていけなかったと感じました。関心をもっていないというのがよくないと反省しました。最近は、ウクライナの件もだんだんとニュースで報道されることが少なくなってきて、関心を持ち続けることが大事であると思いました。
・「人々は歴史から学ばないということを学べ」という投資家の名言がある。軍需産業が必ず儲かる仕組みになっていて、このような歴史が繰り返される。なぜ戦争がおこるのかということを知らないといけないと思う。
・戦争を防ぐには、法の支配を強力に保障する圧倒的な力が国連のような組織に必要なのではないかと思いました。また、それぞれの国の国民も自国の利益優先よりも世界の平和が最も尊重されるという認識が広く醸成されることが大切だと思いました。
・多様性という言葉が何度も出てきたことがとても印象的でした。それも平和を実現するうえで一つのキーポイントだと感じました。
・SNSなどでも、自分と同じや近い意見だけみるとその中に流れていくのはよくわかる。違う意見や視点を取り入れないと気づきが起こらない気がする。
・他者との対話が気づきをもたらしてくれると感じました。スマホをいじっていても、自分の見たいものしか検索しないし見ない。今は人と人との距離が遠くなって、違う意見を拾うが難しくなっている時代だと思いました。
・U2のONEという曲、一つだけど個性はそれぞれ違う。一つの心に懐かしさというかジーンときた。お互い違いを尊重しあうことが大切だと思った。
・音楽の力を感じました。今とは違う時代がその頃にはあったのだと思いました。人と人との繋がりがすごくあって、歌手の人たちが声をかけるとみんな集まってキャンペーンを行う。熱い感じが当時にはあったのだと感じました。
・映画の中で「5分後に死ぬとしたら何をするか」というセリフが印象的であった。そういう視点で悔いのない人生を歩まなければならないと思った。
平和のために、多様性を尊重すること、戦地に関心を持ち続けること、戦争の構造を理解することなどの重要性が挙げられました。
また、「悔いのない人生」という視点も印象的でした。
サラエボで起きたこと、音楽の力を踏まえながら、これからも平和について考えていきたいと思います。














音楽は生きることの証であり絆。
人と人を繋ぎ、人類は一つである事をおもいださせてくれる。この映画はそんな音楽の力、素晴らしさを魅せてくれる。
隔たり、溝が深まるこの時代にこそこの映画の意義を感じる。
─ クリス・ペプラー (TV・ラジオパーソナリティ)
サラエボの衛星中継でボノも観てる自分も目が覚めた。
ショックだった。
そこからのU2が凄かった。
本当に凄かった。
34年経って初めて「ワン」が分かった。
世界中の人に観て欲しい。
─ 永野(お笑い芸人)
30年前のサラエボの様子を見ると今のウクライナとガザを連想せずにはいられません。
買い物に出かけることも命がけという絶望的な日常をアートや音楽でしのぐ人たちの精神力に感激します。
自分たちの状況に世界の注目を引くためにどうすればいいか?
U2の歴史的なコンサートよりも、それにつながるプロセスが肝心で、ピープル・パワーを感じさせます。
─ ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
深い不信と恨みが残る場所で、こんなコンサートが大成功していたなんて、、、。
セルビアやサラエボを旅した私には信じられない。音楽の力って本当に素晴らしい。歴史も人の心も瞬時に溶かすU2の魔力と怪力にも乾杯!!
─ 湯川れい子(音楽評論家)
Zoo TVツアーがあのタイミングで行われていなければ、人々の心の糸が切れてしまい生きる希望を失っていたかもしれない。
そういった意味でも、あのZoo TVツアーがどれだけ意味のあるツアーだったのかを改めて再確認できました。そして音楽の力が、自分達が扱っているこの目に見えない武器がどれだけ偉大なのものなのかも再確認できました。
U2のような力は自分にはまだまだありませんが、いちミュージシャンとして自分には何ができるのかを改めて考えていこうと思えた素晴らしい映画でした。
─ 悠介(lynch.ギタリスト)
U2というバンドは人によって好き嫌いあると思うけど、やはりこういうことができるのはU2しかいないし、こうした問題に関してまっすぐに旗を振れるミュージシャンはボノしかいない。その青臭く暑苦しい正義感をせせら笑う向きもあろうが、これは音楽の力を信じたくなる作品だ。すべての音楽ファンが襟を正して見るべき秀逸な傑作。(全文)
─ 小野島 大(音楽ライター)
近年最も魂揺さぶられた映画。いかなる状況でも、たとえそれが戦火の中でも、
音楽は、ロックンロールは、人々にとって重要な存在なんだ。
ボノが言うようにこの戦乱の世の中で、この瞬間にも誰かが殺戮の犠牲となっている今、
音楽を、ロックバンドやってるなんてバカみたいだ、と何度も思ってきた。
アーティストでいることの無力感を何度も感じてきた。
けれど、音楽が人々を救える、世界を良き方向に導ける、その可能性がまだまだ残っていることをU2は証明してくれた。
これ以上の感動はない。
魂がとてつもなく鼓舞された、と同時に、今までの自分の生き方が間違っていなかったと確信が持てた。
あれから30年を経た今、世界は更に混迷の中にいる。
サラエボの苦悩がウクライナやパレスチナと重なって見える。
人間は、特に指導者と言われる愚かな人々はあまりに傲慢で欲深く、全く進化できていない、全く学べていない。
この世の中を変えたい。
そして音楽という武器と盾はここにある。
─ SUGIZO (ミュージシャン)