戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン
ジャンル
平和 政治経済 伝統文化 時間 95分
製作年2020年
監督 マーク・ジョンストン、マーク・ライアン
戦争中も不屈の精神でワインを造り続けたレバノンのワインメーカーたちが語る幸福と生き方論
ワイン界の著名人ジャンシス・ロビンソンやマイケル・ブロードベントなども登場!
ワインは実に偉大な師だ。人々の心を通わせるのだからね。心が通えば平和になる。戦争はしない。
- セルジュ・ホシャール(シャトー・ミュザール)
About the film
『食べて、祈って、恋をして』著者で世界的ベストセラー作家エリザベス・ギルバートたちがあなたを魅惑的なレバノンワインの世界へと誘う──。
古くから地中海の交易の中心のひとつであった中東の小国レバノン。度重なる戦争に翻弄されてきた国だが、実は知られざる世界最古のワイン産地の一つだ。レバノンワインの起源は5千年前とも一説には7千年前ともされる。本作は、世界的に高い評価を受けているシャトー・ミュザールの2代目で「レバノンワインの父」と評されているセルジュ・ホシャール他、戦争中もワインを作り続けてきた不屈のワインメーカーたちが登場する。戦争ではなく平和をもたらすために内戦中にワイン造りを始めた修道院の神父や、虐殺が起こった故郷の村で村の再起のためにワイナリーを続ける夫婦など、極限の状況でもワインを造り続けてきた11のワイナリーのワインメーカーたちが人生哲学や幸福に生きる秘訣を語る。レバノンワインに魅せられた『食べて、祈って、恋をして』の著者エリザベス・ギルバートや、ワイン界の著名人ジャンシス・ロビンソンらが、あなたをレバノンワインの世界へご招待する。
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戦争中もワインを造り続けてきた不屈のレバノンのワインメーカーたち
古くから地中海の交易の中心のひとつであった中東の小国レバノン。1975年から断続的に内戦や隣国との軍事衝突が続き、その不安定な情勢を報じられることが多いが、実は知られざる世界最古のワイン産地の一つだ。ワイン造りの歴史も古く、レバノンワインの起源は5千年前とも一説には7千年前ともされ、現在も約50のワイナリーが点在している。レバノン南部では2500年以上前のワイナリー遺跡も発見されている。本作は、世界的に高い評価を受けているシャトー・ミュザールの2代目で「レバノンワインの父」と評されているセルジュ・ホシャール他、戦争中もワインを作り続けてきた不屈のワインメーカーたちを紹介する。
「戦地でできたワインほど強いワインはない」魂が込められたレバノンワイン
戦争ではなく平和をもたらすために内戦中にワイン造りを始めた修道院の神父。レバノンに加えて内戦下のシリアでもワイン造りを続ける兄弟。自分で身を守れるようにと11歳で銃の扱い方を教えられ、父の遺志とワイナリーを受け継ぐ女性。内戦中、虐殺が起こった故郷の村で、村の再起のためにワイナリーを続ける夫婦。極限の状況でもワインを造り続けてきた11のワイナリーのワインメーカーたちが語る人生哲学や幸福に生きる秘訣とは?「私がセルジュから学んだものは、ワインのことよりも人の生き方についてだった。」と語る『食べて、祈って、恋をして』の著者エリザベス・ギルバートや、ワイン界の著名人ジャンシス・ロビンソンやマイケル・ブロードベントが、あなたをレバノンワインの世界へご招待する。
Data
原題 |
Wine and War |
製作年 |
2020年 |
製作国 |
アメリカ |
制作 |
|
配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
95分 |
Cast & Staff
監督 |
マーク・ジョンストン、マーク・ライアン |
製作総指揮 |
サージ・ド・バストロス、フィリップ・マスード |
プロデューサー |
マーク・ジョンストン |
原作 |
|
脚本 |
マーク・ジョンストン、マーク・ライアン、マイケル・カラム |
音楽 |
カリム・ドウアイディー |
撮影 |
マーク・ライアン |
編集 |
マレク・ホスニー、マシュー・ハートマン |
キャスト |
セルジュ・ホシャール、マイケル・ブロードベント、ジャンシス・ロビンソン、エリザベス・ギルバート、ミシェル・ドゥ・ブストロス、サンドロ・サーデ、カリム・サーデ、ジェームズ・パルジェ、ジョージ・サラ、ジャン=ピエール・サラ、ナジ・ブトロス、ジル・ブトロス、ロナルド・ホシャール、ガストン・ホシャール、ファウージ・イッサ、サミー・ゴスン、ラムジー・ゴスン、マイケル・カラムほか
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
*マルティン・ルターの言葉「たとえ明日世界が滅びようとも、今日私はリンゴの木を植える」を想起した。戦争に巻き込まれながらワインづくりを続けるのは、前回観た「ミッション・ジョイ」のテーマと重なる部分があったが、キリスト教的な視点のみで描かれている気がして、モヤモヤする部分も残る。アルコールを飲まないイスラム教徒と、ワインを通じて平和をつくれるのだろうか?
*ワインへのこだわりがすごかった。7000年前のまだ科学が進歩していないときから発酵を体感してたことが分かった。木の実が自然発酵してできる猿酒もそう。世界中にお酒が結びついている。今はお酒を飲んでいないが、以前はへべれけになるまで飲んでいたが、神様と交流していたのだろうか?
*エンドロールのなかでゲバラの写真があったが、何か関係があったのだろうか?
*「難民ではなく、冒険者だ」というところに共感した。気候危機や東アジアの危機を考えると、自分たちも難民になりうる。戦争を生き抜くだけでは、戦争を止められない。戦争に翻弄されるのが難民、戦争を回避したり、止めようとするのが冒険者。自分も冒険者でありたい。ワインを自分のためではなく、平和のためにつくるというのが大事だと思った。
*ワインにかける情熱、人生をかけて次の世代・次の次の世代に向けたブドウづくり、この地に居続けるという宣言、そのマインドに驚いた。
*ワインについて旧約聖書ではほとんど出てこないが、新約聖書になってイエスとともによく出てくる。キリスト教とイスラム教の戦争…、なぜ共存できる世界になれないのか?
*戦争に翻弄されているレバノンのこと、全然知らなかった。その地から逃げられないという覚悟、適応性・柔軟性がすごいと思った。戦争だと、作ったとしてもまたすぐ壊されるかもしれない。それでもつくり続ける。災害の復興よりもすごいことだと感じた。
*1300年以上も前に建てられた法隆寺を想起した。今の若い人たちは動画を倍速で見たり、ショート動画を見たり、忙しくしている。結論を急がず、ゆっくり丁寧に取り組む必要がある。
告知期間が1ヶ月未満でしたし、慣れない上映会でスタートはおぼつきましたが、いろんな方の支援や応援の声を頂き、結果、きて欲しい方にお越し頂け、以外な方が当日きてくださったりしての、いい1日となりました。的を絞ってチラシを置いていただいたりしたのですが、やはり実際に声をかけて話した方が来場してくださった感じです。上映の合間にレバノンワインの試飲の時間を設けながら、交流できたのいい時間となりました。20代から60代前半くらいまでの方で、男女半々くらいでした。この映画を観たら、絶対レバノンワイン飲みたくなるよね!との声を多く聞いたので、用意できて良かったと思います。ピースワインのオンライン販売のご案内もしましたが、映画が終わったらその場で買いたかった!との声が多かったです。ワインが好きでこの映画に興味を持ってくださった方も結構いらっしゃいました。戦争してる国という認識しかなかったけれど、この映画でレバノンのことをもっと知りたくなったという声も聴くことができ、上映してよかった!と充実感で終えることができました。
レバノンワインを試飲しながらの上映~ディスカッションでした。昔から続く戦争とワイン作り。そのコントラストに驚きつつも、登場人物の豊かな人間性にみなさん惹かれていました。
ちょうど2年前、横浜での上映会「戦地で生まれた奇跡のレバノンワイン」に参加、関根健次さんと直接お話しする機会があり、ユナイテッドピープルさんの理念やCinemoサービスについて感心し、是非自分もやりたいと想って2年。念願叶って自分でCinemoでの上映会を開催できた事にとても感無量です。初回にこの作品を選び、改めて哲学的な示唆が多い良い作品であるなーと。参加者の方々とも、参加した経緯や映画を観た感想など素直なお気持ちを話していただいて、それぞれの方のストーリーとも相まって本当に良い時間であるなと感じました。引き続き、小さく緩いつながりで何か行動の一歩となるような、そんな場づくりを続けようと思います。
戦時であるということは生に与えられたひとつの条件だー例えば性別とか、貧富とか、健康かどうかとかのようにーが、決して決定的なことではないとする生き方に目から鱗が落ちた思いだった。レバノンワインが世界から評価されるに至ったのは、戦時であるという生に与えられた重い条件をむしろ逆手に取ったとさえ言える。戦時だから何もできないというのでは既に死を意味するという非凡で不屈な人のあり方に敬意を抱く。
それは、閉じ込められたガザの人たちの絶望からは遠い明るさだと思った。