この映画は日本人にとって、「自分にはどうすることもできない絶望的な現状」を描いたものと思われがちではないかと思いますが、私はこの映画が描いている現状と変わらない「人権侵害」が日本にも蔓延している、と感じ、「できることは無数にある」と思いました。
まっさきに思い出したのは、親に虐待されて殺された子どもたちのこと。親からの暴力を訴えた公的機関からも放置され結果的に父親から殺された少女の事件などは、ナディアの民族がこうむっている問題と根本的には同じではないかと、私には思えます。
「遠くのこと」と思わず、ナディアの目をした人々が身近にもたくさんいることに氣づき、意識しながら、自分の生き方を見つめ直せば、きっと一人一人にできることがたくさんある。
この映画は私にとって、そんな想いを呼び起こしてくれる作品でした。
この作品とナディアの存在を心に置きながら、氣づきを自分の行動と在り方に落とし込んで、毎日を生きていこうと思います。
<参加者の声>
・「今動かないで、いつ動くのです?」という、ナディアの言葉が胸に刺さった。
・「人権はみんなで守るもの」という強い意志の言葉に心動かされた。誰の人権も奪われてはならない。
・難民やISについて、今までは自分とは関係ないと感じてきたが、この映画を観た今は、つながっていると思う。自分のこととして考えていきたい。
・すごく感動的でした。自分は何も知らないんだと反省しました。世界に目を向けなくては。
・すごい映画でした。今、世界には難民があふれています。自分に何ができるのか?本当に問われている問題だと思います。
・とても考えさせられるよい映画でした。今の日本でも同じようなことがあります。身近なことでも小さなことでも、虐げられた人々のために行動したいと思いました。
・大変素晴らしい映画でした。難民が数多くいることは知っていましたが、彼らの傷の深さは知らなかった。なぜこのようなことが起こるのか考えなければ。本質的な人間の尊厳を考え直さなければ。
・心に残った言葉;「世界には国境はなく、人道があるだけ」 …他、多数の回答をいただきました。
― 安田菜津紀(フォトジャーナリスト)
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人権侵害を知らせること自体が難しい、世界を動かすことはもっと難しい。その中で、ナディアさんのような被害者が声を上げることの勇気、困難、希望が凝縮された映画。
― 土井香苗(ヒューマン・ライツ・ ウォッチ(HRW)日本代表)
いくら言葉を尽くしても越えられない「無関心」の壁と闘うナディアさんの底知れぬ悲しみに言葉を失う。それでも前を向く彼女の強さに涙が止まらなかった。
― 長野智子(キャスター)
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夢、家族、故郷、自由―、一度に全てを失った一人の村娘ナディア。「どこに行って話しをしても、奴隷だった自分しか見えない」。悲しむ人々の代弁者となった彼女の言葉と、遠くを見据える眼差しに、私たちはどう向き合うのだろうか。
― 林典子(写真家)
その他レビュー
https://unitedpeople.jp/nadia/rv