送付されたDVDには本編の他に10分ほどの特別編があり、バングラデシュで上映されたときの現地の大学生の反応や、製作者(バングラデシュのNGOエクマットラのスタッフ)による背景やストリートチルドレン支援活動につい語られており、本編・特別編両方を上映しました。
また、NGOエクマットラを立上げ、共同代表をつとめられる渡辺大樹氏へのオンラインでの講義もお願いしました。
参加した先生方から上がった声の一部は次の通りです。
・ストリートチルドレンが知らぬ間に犯罪に手を染めていく姿が刻銘に描かれており、その悲惨な現実があまりに衝撃的だった。
渡辺さんは、そんな過酷な境遇から社会を斜めに見ているストリートチルドレンと本物の信頼関係を築く努力をしていた。そして、物質的に恵まれ、教員の教育もはるかに行き届いている日本でも難しい、“心のエリート”を育む教育をし続けている。子どもたちへの愛情と教育への情熱に、心からのリスペクトを送りたいと思った。
・映画の中に、ストリートチルドレンの表情、身なり、悲惨な状況に置かれているという現実を目の当たりにした。しかし、オンラインで繋がった画面に映し出される子どもたちの表情は明るく、真っ直ぐな眼差しだった。躊躇しながら質問に答える様子は日本の子どもたちと似ていると思った。将来の夢や幸せについて、「国や誰かのために」と考える子が多かった。その姿には、誰かを助けたいと思ったときに助けられる、利他の精神をもった「心のエリート」を育て、ストリートチルドレンの大逆転を狙う渡辺さんの想いが受け継がれていた。
・現地のストリートチルドレンの実態について理解を深めました。知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれていく子どもたちを見て、大人に消費される生き方しか選択肢のないことの危険性と、そのような危険を回避するためにも教育が必要だと感じました。
お客さんはゼロでした。
この映画にハッピーエンドなんてものは用意されておらず、
映し出される現実が重くのしかかります。
別の映画「サバイビング・プログレス」を見た人が、悲しいという感想を言ってくれました。
虚無感を感じたそうです。
アリ地獄のような街は、絶望を感じさせてくれます。
現地に住んでいる人が絶望だけを抱いているわけではないことも、映画が描いているものがバングラディシュの一面でしかないことも承知です。
しかし、映画が描いている現実は、アリ地獄のような街の片鱗を手に取るように感じさせてくれます。
映画「ザ・トゥルー・コスト」は安い服を手に入れられる裏側を描くことで、
私たちがどっぷり浸かっている経済の流れを上手く描写していました。
その経済構造の最底辺の一部を描いているのが本作かと思います。
私たちがどういう社会構造の上に立ち日々の利便さを享受しているのか省みませんか。
ゴミのように扱われる子どもたちや女性をみることで自分の立っているところを知って一緒に絶望しましょう。
しかし、ただただ重く突き刺さる現実を前に、自分の役割を探し実行している若い日本人がいます。
それがこの映画を制作したNGOエクマットラの創設者の一人である渡辺大樹さんです。
渡辺さんがどういった想いでエクマットラを創設し、この映画を作られたのか、
動画の中で語られていますので是非ご覧になってください。
http://youtu.be/mNejSnaR4Ow
http://youtu.be/9wiG-cR27JA