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グリーン・ライ~エコの嘘~

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監督:ロクサレ・ガエム・マガミ
監督:クリス・テンプル、ザック・イングラシー、シーン・レオナルド
監督:西倉めぐみ、高木ララ

グリーン・ライ~エコの嘘~

ジャンル 環境 多様性 社会変革 問題解決
時間 97分 製作年2018年  監督 ヴェルナー・ブーテ

監督が世界一周しながら「エコの嘘」の実態を体当たり取材!
この映画を観たら気軽にスーパーで買い物できなくなるかもしれない。

Screening Information

上映会 開催者募集

©e&a film

About the film

スーパーで見かける「環境に優しい」商品。
商品を買うと世界を救えるは本当?確かめるため監督自身が世界一周調査の旅へ出る。

「環境に優しい」「サステナブル」耳触りの良い言葉の裏側に隠された残酷な真実に迫るドキュメンタリー。

More info

スーパーで見かける「環境に優しい」商品。買うだけでオランウータン、海、そして熱帯雨林まで救えるというが本当だろうか?確かに「お買い物は投票」というように一人ひとりの消費行動は企業に影響を与える力がある。でも、本当に正しく消費するだけで世界を救えるのだろうか?ヴェルナー・ブーテ監督は、グリーンウォッシングの専門家カトリン・ハートマンとスーパーを訪れ、カップスープ、ピザやドレッシングなど多くの既製品に「持続可能な」と表示のあるパーム油が使われていることを知る。「持続可能なパーム油なんてない」と主張するカトリンに驚き、実態が知りたくなった監督は世界一周航空券を買い、ハートマンと一緒に旅に出た。

2人がまず向かったのは、パーム油の生産量世界一のインドネシアだ。現地の活動家の案内で、数日前まで熱帯雨林だったがパーム油農園を拡大するため企業により不法に焼き尽くされた土地を訪れると、監督はその痛ましい惨状を見て絶句する。どうしても普段の買い物と、森林破壊が結びつかない。どうすれば環境破壊をせずに済むのか?買わないことなのか、正しい消費の選択をすることなのか? 2人はブラジル、ドイツ、米国を巡って、様々な業界の実態を調べていく。そして著名な学者ノーム・チョムスキーなどに解決方法を聞きに行く。持続可能な未来のために、私たち一人ひとりがどう行動するべきか問うドキュメンタリー。

Data

原題 The Green Lie 製作年 2018年
製作国 オーストリア 制作 e&a film
配給 ユナイテッドピープル 時間 97分

Cast & Staff

監督 ヴェルナー・ブーテ 製作総指揮
プロデューサー マーコス・ポーゼー、エリッヒ・シンドレカ 原作
脚本 ヴェルナー・ブーテ、カトリン・ハートマン 音楽
撮影 ドミニク・シュプリッツェンドルファー、マリオ・ホッチル 編集 ガーノット・グラスル、ローランド・ブッジー
キャスト ヴェルナー・ブーテ カトリン・ハートマン ノーム・チョムスキー ラージ・パテル ヴィンセント・ハンネマン ディーン・ブランチャード スコット・ポーター ソニア・グァジャジャラほか

Review(2)

20/05/07 14:45

ユナイテッドピープル さんのレビュー
役立ち 学び 人生変わる
社会を持続可能な方向に導くために考案されたはずの「グリーンな」認証。その本来の意図を軽々と踏みにじる企業の利益至上主義。いわゆる一般的な生活者の目線とユーモアを大切にする監督の姿勢もあって、ニュートラルな心の状態を保ちながら深刻な実態を追体験できる優れたドキュメンタリーだ。正直に言って、エシカルな消費行動や認証ラベルの意義などについての普及活動をしてきた私は、不誠実な企業による裏切りとも取れる行為の数々に目眩がするほどのショックを覚えた。

それでも尚、私はこれからも、さまざまな認証を参考にして生活をおくるだろう。なぜなら、この地球上のたくさんの場所で起きていることに想いを馳せるとき、認証という仕組みがなければ世界はもっと酷いことになっていると感じるからだ。今の社会システムが次のステージに進むための手段としての可能性を持つ認証制度そのものを批判するだけでは、持続可能な社会づくりに貢献することにはならない。悪いのは認証そのものではなく、その仕組みを悪用する既得権益者と、認証を盲目的に信じる私たち生活者だ。私たち全員の幸せにとって欠くことの出来ない持続可能な社会を実現するには、一人ひとりが自分自身の目を、耳を、感覚を研ぎ澄ませて、真実に迫る努力をするほかないということを、改めて突きつけてくれるありがたい作品だ。

― 末吉里花
エシカル協会代表

***

危機を乗り切るためにユーモアが大切であることを、僕はグリーンランドや南米パタゴニアのフィヨルドや氷河を人力で旅した仲間から学んだ。僕にはない資質を持ったその友人は、状況が深刻になればなるほど独特のセンスを発揮して皆を笑わせた。今、人類は未曾有の危機を迎えている。状況を深く知れば知るほどシリアスにならざるを得ない。でも多くの人々は暗いニュースは好きではないし、耳に痛い話は本能的に避けようとする。大切なことは問題解決への近道を見つけることで、多くの場合、怒りよりもユーモアの方が状況を良くすることに繋がる、というのが今のところの僕の考えだ。そう言う意味でも、この映画の意義は大きい。

― 辻井隆行
元・パタゴニア日本支社長

***

“グリーン・ライ”を終結させるためには、大量消費主義と闘う原動力を、魂の底から掘り出さなければならない。わたしたちは、今この瞬間から選ぶことができる。このままウソをつき続けて金を得るのか、それとも、使命に従い自らの命を全うするのか。

― 井出留美
食品ロス問題ジャーナリスト

***

SDGsの影響で、遂に大企業もサステナビリティを掲げるようになったが、すべてを鵜呑みにしてはいけない。この映画が暴くその事実を知って「消費する恐怖」がより高まった。さあ、あなたはこれからどうする?

― 四角大輔執筆家・森の生活者

***

その他レビュー
https://unitedpeople.jp/greenlie/rv

24/06/09 18:46

ひろんた村母屋 さんのレビュー
元気 学び
皮肉が効いておもしろい。じゃあ、こうしましょう!と唯一の正解のようなものも用意されていない。現実らしく、もやもやとどうすれば分からないまま。だからこそ、考える。

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上映会主催者の声

上映会を主催された方の声を紹介します
まちまるごと下五キャンパス第2回『グリーン・ライ~エコの嘘~』
子どもも大人も一緒に学ぼう社会課題とSDGsと題して、地元の町内会(下目黒五丁目自治会)と一緒に企画・開催しました。小学生4年生から大人まで地域のみんなで同じ映画を見て、その後は消費生活センターの方からエシカル消費について学びました。

参加者アンケートからは、

「スイッチを入れられた感じです。気づきのためのショック(笑)。」
「利益よりも地球という視点が全企業に浸透していくと良いと思いました。」
「何が真実なのか、1つの表示にまどわされてはいけないなと思った。」
「(中学校の授業では)企業側の視点をここまで掘り下げたものを見たことがなかった。」

など、映画を観ての驚きや気づきなど、子どもから大人までがぞれぞれの視点で社会課題を体感した上映会&講演会となりました。

消費のための情報収集について考えました。
&JOY 2022年05月29日
同じ月に1度開催しましたが、鑑賞希望の方がいたため急遽2度目の上映会を開催しました。

普段から倫理的消費を心掛けている人が多く、真実を見極めるためにどのような情報収集をしたら良いだろうと話し合うことができました。

消費のプロセスを見直すきっかけ
&JOY 2022年05月14日
会場とオンラインのハイブリッド形式で上映会を開催しました。

プラントベースの食生活をされている方やヴィーガンなどエコに関心のある方が多く、上映会にインドネシアのパーム油輸出禁止のニュースが出ていたこともあり、良いタイミングで開催することができました。

認証パーム油やその他エコ認証を確認して商品を購入することも大事ですが、現代のグローバルな消費システムそのものに疑問を持ち、消費のあり方を見直すことが本質なのだと思います。

「便利さを手放すことができないように錯覚している部分もあるかもしれない」
「地産地消をもっと進めていきたい」
といった感想を参加者の方々からいただきました。

連続開催の最終回でした
一年間続けてきた上映会、いったん終了となります。上映会の情報をSNSで見つけ、見たい映画だからと遠方から来ていただいた方や、自分で上映会を開いてみたいので参考に、という方など、いろいろな方々が参加してくださいました。常連さんからは終了を惜しむ声もいただき、今後は不定期での開催ができればと計画中です。

生産現場の搾取、政府と多国籍企業の癒着が見えてきます
ancient beat club 2022年03月26日
持続可能なパーム油と認証されても、その認証自体が実態と異なる現実。不明瞭な説明は、典型的なグリーンウォッシュであり、実際に現地を訪れた監督たちが現実を見せつけてくれます。
企業が嘘をついても、規制はなく嘘をつき放題。認証が騙す手段となる。
ラベルには多くの嘘があり、企業が作り出した。あらゆる情報が溢れ、根本的な情報は消費者には与えられていない。

「目の前にある惨状と、自分が口にしているチョコが結びつかない」と言う台詞が全てを示していると思います。

消費者が企業に問いかける必要性、消費者が会社を選ぶ必要性を感じました。
「もの分かりのいい消費者ではだめ」と問いかけます。

多国籍企業が政府に圧力をかけて、土地を奪い強制移住が行われ、低賃金労働に従事せざるをえなくなる。
映画の中で、新植民地主義と指摘。

なぜ安いのか、それは安い労働力があるから。
大規模な環境破壊で、国を超えて莫大な利益をえる。
現代の奴隷制。

希望も提示していました。

先住民が、戦い、自分たちの土地を返される事例もあるそうです。

労働者自らがビジネスを行い、公共の利益を考える、経済の民主化、労働者への公正な分配を、とチョムスキーさんは語ります。
既存の経済の代替モデルとして、人や環境に優しいあり方。豊かさとは、自分たちの土地で自由に暮らし、自然からの資源を教授する。

参加者の方で、エシカルな商品を扱っている方からの感想です。
「映画が映し出した現実は、
パーム油のための森林火災や
石油採掘のための環境破壊
重油の流出を化学薬品を撒き
海の底に沈めて証拠隠滅
心が痛むひどい状況を知り
何が一番良いのか改めて
考えて選んでいきたいと思えました。
また本当に知るためには
やはり自分の足で出向くことができたら
一番の真実だと思うので
いつか落ち着いたら
自分の目で確かめにいきたいです」

知ること、ドキュメンタリー映画の醍醐味ですね。