戦後間もなくして渡米した約5万人の戦争花嫁たちの数奇な運命をたどるドキュメンタリー
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About the film
戦後間もなくして渡米し、「戦争花嫁」となった日本人女性たちの長女として生まれた3人のアメリカ人ジャーナリストたちが、母親が旧敵国アメリカで経験した結婚・移民・人種問題をたどったドキュメンタリー。「七転び八起き」のことわざのように、3人の母親たちは数々の障害や悲しみを乗り越え、自分なりのアメリカンドリームを達成した。日米のルーツを持つ母親と娘たちの対話から、新しい日米関係の存在が見えてくる。
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1950年代に旧敵国のアメリカに3人の若い日本人女性が到着し、貧困あるいは貧困に近い生活が始まった。日本を離れ、アメリカ各地の日本人が誰一人いないような地方で寂しい人生を送った戦争花嫁たち。そんな戦争花嫁たちの同胞であるはずの明治時代にアメリカに移民した日系人たちは、必ずしも彼女たちに好意を持っていなかった。
そんな戦争花嫁である3人の母親たちとその娘たち(裕子とキャサリン・トールバート、恵美子とケレン・カズマウスキー、そして敦子とルーシー・クラフト)の体験を元に本作は制作されたドキュメンタリー映画である。旧敵国に移住した大胆な母親たちやジャパニーズ・アメリカン、またはアメリカ人のアイデンティティーを持つ3人の娘たちのストーリー。アイデンティティーに向き合う親子のヒューマンドラマから、戦後の日米関係の知られざる一面が見えてくるだろう。
娘たちのルーシー・クラフト、ケレン・カズマウスキーやキャサリン・トールバートが出演し、共同監督した。撮影や編集協力はニューヨークの有力な制作会社、ブルーチャック・メデイア。
映画完成のためにクラウドファンディングにより10日間で目標金額の290万円を達成。終了時には460万円に到達したため、当初予定だった10分の映画を26分にすることができた。2015年8月に完成し、BBCワールドニュースでは短縮版が約200ヶ国に放送され、2015年秋にはボストンアジアンアメリカン映画際やフィラデルフィアアジアンアメリカン映画際で上映された。
映画オフィシャルサイト(英語):http://www.fallsevengetupeight.com/
【監督メッセージ】
「お父さんとどうやって出会ったの?」
世界中のどんな子どもにとっても何気ない質問だが私たち3人の監督の母親たちにとっては難しい質問でした。私たちは小さなころから自分の母親たちが近所の母親たちとは違うことを暗黙のうちに理解していました。キャンベルスープやファースト・フードで代表されるような一般的なアメリカ料理とは全く違って、私たちの母親たちは時々不思議な海苔巻きやおでんを作っていたのです。
英語は達者であっても、訛りがありました。子育ては、他のアメリカの家庭とは比べ物にならないぐらい生死に関わるほど真剣でした。私たちの母親たちの生まれ故郷は、私たちにとって月のように遠い存在でした。月への旅はたった3日なのに対し、当時、横浜からアメリカへの旅は2週間を要しました。日本はまさに別世界だったのです。
キャサリンは数十年前から母の経験をもとにした書を出版することを計画し、その間、カレンはそれを写真で表現しようとしていました。そして、ルーシーは映画の制作を夢見ていました。出来上がったストーリーは、私たちの家族の経験を超えたものとなりました。一途な女性の歩み、運命的決断、そして、白人至上主義社会の中で、アメリカ混血人種としての生き方を示すものになりました。この映画は単なる3つの家族の経験を越えて、日米史の見逃された一面を示す意味深い物語となりました。どうぞ私たちの物語をご覧ください。
【監督プロフィール】
ルーシー・クラフト
東京在住のフリージャーナリスト。首都ワシントンD.C.郊外に育てられ、ルーツを探しに20代に東京に移住。アメリカのCBSニュースや他のアメリカのメデイアで活躍中。
ケレン・カズマウスキー
米軍父が勤務している横須賀基地で誕生。カメラが趣味の父に影響され、プロの写真家になる。ナショナル・ジオグラフィック誌に医療から移民問題のストーリーを発表した。現在はフリー写真家兼教授として活躍中。
キャサリン・トールバート
AP通信、ボストン・グローブ紙を経て、ワシントンポスト紙で編集長として活躍。20年に渡り自分の家族のストーリーを少しずつ書いてきたが、この映画のきっかけで、全米の戦争花嫁のストーリーを集めるアーカイブプロジェクトを立ち上げた。
Data
原題 | 製作年 | 2015 | |
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製作国 | 日本,アメリカ | 制作 | |
配給 | ユナイテッドピープル | 時間 | 26分 |
Cast & Staff
監督 | ルーシー・クラフト、ケレン・カズマウスキー、キャサリン・トールバート | 製作総指揮 | ジェーミー・フランシース |
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プロデューサー | 西倉恵 | 原作 | |
脚本 | 音楽 | ダン・キンテロ | |
撮影 | ジェーミー・フランシース | 編集 | ダニー・ガイ、グレッグ・スナイダー |
キャスト | 敦子とルーシー・クラフト、恵美子とケレン・カズマウスキー、裕子とキャサリン・トールバート |
Review(1)
24/06/08 11:02
上映会主催者の声
参加人数は伸びませんでしたが、短編とは思えない濃厚な作品でした。
国内戦争体験者の高齢化に伴い、実際に講演を聴くことも難しくなっています。
内容の重さを心配していましたが
この穏やかな語りで構成された作品以外に、
「歴史を繰り返さないためにも、もっとたくさんの真実の話が知りたい」
との意見も出たのが大きな収穫でした。
26分という枠の中で、気軽に参加しやすかったと思います。
参加者の幅を広げるものとして、時間枠としても、選択肢があるのはありがたいです。ショートフィルムをいくつか上映するのもやってみたいなと思いました。
戦争花嫁の物語ということもあって、体験上映会としては、少し重ための内容だったかもしれませんが、今までの自分の人生からは想像すらできないこと、たくましい女性の人生に衝撃と尊敬を抱きました。
戦後の混乱の中でいかに生きていくか、たくさんの人が迷い自分の生き方を選択した時代だったんだな、自分ならどうしたかな、と思いめぐらせながら見ていました。
どの方もとても日本人であることのプライドを大事に生きて来られた様子がうかがえて、とても嬉しくありがたく思いました。