デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり
ジャンル
教育 伝統文化 その他 時間 100分
製作年2015年
監督 コジマ・ランゲ
映画『シャイン』のモデルの愉快なリアルライフが今、明らかに!
人生は美しい!輝かしい!デイヴィッドは笑顔で出会った全ての人を祝福する天性のピアニストだ。
長い闘病生活の後、奇跡の復活を果たした彼の⼈⽣は⽣きる喜びに満ちあふれている。
©UteFreund
About the film
【1997年アカデミー賞受賞作『シャイン』主人公モデルのドキュメンタリー】
天才ピアニストとうたわれたデイヴィッド・ヘルフゴット。
やがて精神を患い11 年の闘病⽣活。
奇跡の復活を果たした彼の⼈⽣は⽣きる喜びに満ちあふれている。
ふたつの個性が共振することで⼈⽣の豊かな⾳⾊が⽣まれる。
奇跡的な夫婦愛を描いたドキュメンタリー。
More info
伝説的なピアニストでアカデミー賞受賞作『シャイン』のモデルとなったデイヴィッド・ヘルフゴットは、小さい頃から厳格な父からピアニストになるべく英才教育を受け、神童と言われる天才的ピアニストだった。10代で数々のコンクールで入賞し、神童と讃えられる存在となっていた。世界屈指の音楽大学、英国王立音楽大学に特待生として進学し、音楽の殿堂ロイヤル・アルバート・ホールではチケットを完売させる。そのコンサートでは、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」を演奏し、大成功を収める。しかし、直後に精神病に陥り、11年もの歳月をピアノに触れることなく陰鬱な人生を神経科病院で過す。その後、不安定な精神を抱えながらも、ワインバーのピアニストとして働き、社会復帰への道を歩み始めていた。
そんな彼に突然人生の大きな転機が訪れた。その後、妻となるギリアンとの出会いだった。出会った翌日にプロポーズされたギリアンは、唐突な出来事に戸惑いながらも、情熱的で人懐こいデイヴィッドにだんだんと惹かれていき、深く愛するようになる。
少年のようにはしゃぎ、ユーモアに溢れ、誰とでも握手しキスをしてしまいながらも時折人生哲学を語る風変わりで愛らしいデイヴィッドを愛さずにはいられなかったのだ。愛妻ギリアンの助けを得て、デイヴィッドはコンサートへのカムバックを成功させていく。ドイツ、シュトゥットガルト交響楽団のヨーロッパ・コンサートツアーで彼は、感情溢れる情熱的な演奏を披露し、観客を感動の渦に包み込んだ。映画『デイヴィッドとギリアン 響きあうふたり』は、そんな天性のピアニスト、デイヴィッドと彼を深く理解し、愛して寄り添う妻ギリアンとの間の深い愛についての映画である。
Data
原題 |
HELLO I AM DAVID! |
製作年 |
2015年 |
製作国 |
ドイツ |
制作 |
BASIS BERLIN Filmproduktion、BELEZA FILM、FLIEGENDE FISCHE、CREATIVE POOL |
配給 |
ユナイテッドピープル |
時間 |
100分 |
Cast & Staff
監督 |
コジマ・ランゲ |
製作総指揮 |
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プロデューサー |
エヴァ・ケメ、トビアス・N・シーバー、アンスガー・フレリックス、フロリアン・ベック、ジェシカ・ランド、ファルク・ナーゲル、コジマ・ラ� |
原作 |
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脚本 |
コジマ・ランゲ |
音楽 |
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撮影 |
ユトゥ・フロイント |
編集 |
インゲ・シュナイダー |
キャスト |
デイヴィッド・ヘルフゴット
ギリアン・ヘルフゴット
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上映会主催者の声
上映会を主催された方の声を紹介します
今回は“音”を楽しむ、というのをテーマに上映しました。
錢屋カフヱーには、JBL4345という80年代のスピーカーがあり、店内音楽もシネマの音も、それを使用しています。
デイヴィッドが奏でるピアノ演奏。そしてオーケストラの迫力が際立った会となり、お客様にも大変満足していただけました。
「引き込まれる内容だった。音の立体感も楽しむことができた」
「素敵な空間で素敵な映画を観れて、心地よい時間でした。スピーカーの隣の席で、音がとてもきれいでよかったです」
「音響が良く、本当にクラシックを会場で聴いているみたいで、優雅な時間でした!」
お客様からも嬉しい感想をいただきました。
デイヴィッドを支えてくれる奥さまや、仲間がいるのは、まさに陽気な人柄とピアノに対する情熱を持っているからだと思いました。
くすっと笑えるシーンが度々あって、私としてはそこもお気に入りポイントです。ぜひまた上映したいです。
鑑賞後、いつものように残った人たちで、
映画『シャイン』との関連や、
タイプを二つに分けるとしたら
デイビッド派?ギリアン派?
というような話題まで、楽しく感想をシェアする時間を
持つことができました。
ピアノの音の純粋さと、その周囲の人たちを
笑顔にしていくデイビッドとギリアンの人柄に
引き込まれる映画でした。
ピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットさんとそのパートナー、ギリアンさんのドキュメンタリーフィルムで描かれた日常のドラマは、観る側のひとりひとりそれぞれに違った感触を残して、容易には言語化できないインパクトを与えてくれたようでした。
カメラ越しではありますが、演奏をしていない普段の彼は日々常々、たいへんに、よく喋る。ことばはほとんど空気のようなものなのだろうか、絶え間なく、延々と出てくる。そしてそれは、周囲にいる現実の実在してそこにいる人々への愛情のメッセージであり、コミュニケーション。
そして一方、ピアノを弾く彼、というか、ピアノを弾いているシーンでは、画面のこちら側にいる我々もひとつの時空間のなかに引き込まれていき、一体化していく。音楽の力をまざまざと感じることになる。圧倒的な技術と表現力で全てを包み込む。場を支配する、というようなものではなく、場全体が包み込まれ、彼そのもので満たされていく、かのような。
映画が終わると、まるで全員が夢から醒めたかのような独特の雰囲気で、普段のドキュメンタリーだったら、何かを語りたい、共有したい、という感じで、話が始まるところが、全くそうはならなかったのは、言語的であり非言語的であるというこの映画ならではのものであったのだろうということは、最初にお帰りになった方が発した「この余韻に浸ったまま今日は帰ります」とのひと言に象徴されているように感じました。そう、未だ夢の中にいたかったのかもしれません。
今回は定員に達しなかったものの、作品に興味があるという新規の方が多く、おひとりさまでの参加もありました。
作品はデイヴィットの人柄がとても愛らしく、ほっこりしましたが、演奏となると一気に印象が変わるほど力強く、圧倒されるほどでした。妻ギリアンの苦労は計り知れませんが、彼への接し方、最後のインタビューで出た本音にはこちらもグッとくるものがありました。
音楽家の作品なので、主人公のことは知らなくても興味は引かれるようです。そこからデイヴィッドのことを知り、マイノリティ・マジョリティ、常識・非常識、正常・異常、善悪についてまでも話し合うことができ、有意義なディスカッションができたと思います。
実際にデイヴィッドの演奏を生で聴いてみたいという意見は多かったです。
デイヴィッドの日常は、『生きる喜びに満ち溢れている』という表現がまさにぴったり。
いつも誰彼となく、「僕はデイヴィット。君の名前は?」と見知らぬ人にどんどん近づいていって握手を求め、上機嫌の彼。
最初は「夫人はきっと隠れたところで大変なのだろう」なんて勝手に想像していましたが、映画の中で彼と時間を共にするうち、だんだんとデイヴィッドの「今この時を共にいる人たちと満喫したい」という強い気持ちが感染してきます。そして夫妻がどのようにお互いを必要としているのか、その深い絆の一端も理解できるような気がしてくるのです。
コンサートでのオーケストラとデイヴィッドのコミュニケーション。時に即興に走りそうな彼をじっと見つめながら全体の呼吸を合わせる指揮者。クラシック音楽をこれ程の緊張感でのめり込んで聞くのは初めてでした。
こんなふうに恐れなく出会いを受け入れ、自分をオープンして、人生を思いきり楽しみたい、という生への肯定感でいっぱいにさせられる映画です。