私は、切り取った現実の中に生きている。そのことを改めて感じた。母親だから、思うのだろうか。子供がいるから、思うのだろうか。自分だけの命だったら、思わないのだろうか。小学生の時に、初めてはだしのゲンを観た後、怖くて眠れなかった。あの時と同じ気持ちを、あの震災で現実に味わった。そして、この映画を観て、それを思い出した。怖くて、心配でたまらなかったこと。それから、心配しても、仕方なかったこと。あきらめと同時に、心配しすぎるよりも、現実に、子供たちの心が健やかにあるように生きようと思ったことを。
抱く{HUG} のレビュー